日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
カブラル(Pedro Álvares Cabral)
かぶらる
Pedro Álvares Cabral
(1467?―1520?)
ポルトガルの航海者。ポルトガル内陸部の町ベルモンテに生まれ、国王ジョアン2世に仕える。バスコ・ダ・ガマのインド航路発見の航海に次いで、第二次インド遠征艦隊司令官に任命され、1500年3月、13隻の船を率いてインドに向かった。海流の関係からブラジル沖を通ったガマの航海に倣って大きく南西に針路をとったため、4月22日ブラジル海岸に到着した。これによってブラジルはポルトガル領とされたが、彼が最初の発見者とは断定できない(ブラジル「発見」の問題はまだ解明されない点が多い。カブラルによるブラジル「発見」については、国王マヌエル1世にあてて書いたペロ・バス・デ・カミーニャの書簡に詳しい)。カブラルは「発見」後、インドに渡り、コーチン(現、コーチ)で外交関係を結ぶことに成功した。
[金七紀男]