ガジュマル(読み)がじゅまる(英語表記)indian laurel

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガジュマル」の意味・わかりやすい解説

ガジュマル
がじゅまる / 榕樹
indian laurel
[学] Ficus microcarpa L.f.
Ficus retusa L.

クワ科(APG分類:クワ科)の常緑高木で、アコウに似るので混同されやすい。幹から多数の太い気根を伸ばす。熱帯アジアからミクロネシアに広く分布し、沖縄にも自生する。ガジュマルは沖縄の地方名であるが意味は不明である。果実は径8ミリメートルほどで、赤褐色に熟し、野鳥が好むという。潮風に強いので、熱帯では防風用生け垣や庭園樹に用いる。心材は細工物に用いる。同属のベンジャミン(シダレガジュマル)F. benjamina L.は観葉鉢物としてよく栽培され、5℃くらいの低温に耐え、日陰でもよく育つ。挿木で殖やす。

[高林成年 2019年12月13日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガジュマル」の意味・わかりやすい解説

ガジュマル
Ficus retusa

クワ科の常緑高木で,南西諸島小笠原諸島,熱帯アジアに広く分布する。幹は太くて瘤や皺が多く,分枝してよく茂る。幹や枝から多数の細い気根を垂らし,地面に届いて,支柱根になる。葉は長さ5~10cmの倒卵形で厚く,上面は緑色でつやがあり,1cmほどの葉柄があって互生する。果実はイチジクに似ているが,ずっと小さく直径 8mmぐらいで,赤く熟する。材は軽くて模様があり,沖縄では盆や砂糖樽などに用いる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ガジュマル」の意味・わかりやすい解説

ガジュマル

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