デジタル大辞泉
「キッド」の意味・読み・例文・類語
キッド(Benjamin Kidd)
[1858~1916]英国の社会学者。ダーウィニズムを人間社会に適用し、また、社会に統合をもたらすものとして宗教の役割を重視した。著「社会進化論」「西洋文明の諸原理」など。
キッド(kid)
1 子ヤギ。
2 子ヤギの皮。薄くてやわらかく、光沢がある。衣類・手袋・靴などに用いられる。
3 子供。若者。
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キッド
[二] (Benjamin Kidd
ベンジャミン━) イギリスの社会学者。ロマン主義哲学と進化論との立場にたって、
近代合理主義に反対し、社会進歩は宗教的教化による個人の集団への従属であると主張した。主著に「社会進化」「西洋文明の諸原理」。(
一八五八‐一九一六)
キッド
〘名〙 (kid)
① 子ヤギ、またはそれに類するものの
なめし革。高級な靴、手袋などに用いられる。
※
風俗画報‐三〇七号(1905)流行門「俗にキッド(小羊)といへる皮にて製するものを好しとし」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
キッド
Kyd, Thomas
[生]1558.11. ロンドン
[没]1594.12.30. ロンドン
イギリスの劇作家。 1565年マーチャント・テーラーズ校に入学,古典の教養を身につけた。そのすぐれた演劇感覚によって,『スペインの悲劇』 The Spanish Tragedy (1587~88頃) でラテン劇をイギリス化することに成功,公共劇場で大当りをとり,以後 15年間繰返し上演されて,エリザベス朝における復讐悲劇流行の端緒を開いた。この劇でキッドは,復讐の主題や亡霊,黙劇,劇的朗読法による長ぜりふや独白などをセネカから借用しているが,そのほか,題材を古典の神話や伝説的なイギリス史にとらずに,当時のスペインを舞台に物語を虚構し,筋の構成も副筋を用いて複雑にし,人物の行動に動機を与え,性格には陰惨な心理的屈折を加えて,ハムレットに通じる主人公の狂気や遷延,イアーゴーに発展するイギリス文学史上最初のマキアベリ的な悪党を創造した。また殺人や狂乱を舞台にのせ,復讐の遂行に劇中劇を用い,目的に応じて散文と韻文,無韻と押韻を使い分けるなど,独自の趣向を考案,以後の復讐劇の道具立てを完成した。他方,セネカの抒情的,内省的な美を高め,筋の残忍性を一掃したネオ・セネカ派の R.ガルニエの作の翻案『コーネリア』 Cornelia (94) がある。そのほか『ハムレット』の原典になったと思われる現存しない『原ハムレット』 Ur-Hamletの作者と推定されている。
キッド
Kidd, Benjamin
[生]1858.9.9.
[没]1916.10.2. サウスクロイドン
イギリスの社会哲学者。官吏生活後社会調査のため世界を旅行し,1898年にはアメリカ,カナダを,1902年には南アメリカを訪れた。彼の社会学は H.スペンサーの社会進化論の系譜に立つもので,1894年に『社会進化論』 Social Evolutionで社会進化のもつ逆説,すなわち社会進化と理性の矛盾を指摘した。社会進化は非理性的過程の進展を常に伴うので,理性の進化と矛盾するというのである。理性はこのような非理性的過程の進展に反逆するが,その結果理性が勝てば,次に理性そのものの進展が停止してしまうと考え,この考え方を『西洋文明の諸原理』 Principles of Western Civilization (1902) で,歴史によってさらに裏づけようとした。彼の社会思想は世紀の転換期を迎えつつあったイギリスにおいて相当の反響を呼んだが,その学問的構成は薄弱であった。
キッド
Kidd, William
[生]1645頃.スコットランド,グリノック
[没]1701.5.23. ロンドン
キャプテン・キッドの名で知られるイギリスの海賊。 1696年から北アメリカにおいて海賊討伐の任にあたっていたが,翌年海賊の根拠地マダガスカル島におもむいてみずから海賊となり,99年ニューイングランドへ戻ったとき逮捕され,テムズ河畔で処刑された。
キッド
kid
子やぎのことであるが,普通子やぎのなめし皮 (キッドスキン) をさす。キッドスキンは柔軟で表面 (銀面) が美しく,靴の甲革,手袋用革の高級品として用いられる。また,めん羊ややぎの皮からつくった類似の革のことをいう場合もまれにある。
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キッド
Thomas Kyd
生没年:1558-94
イギリスの劇作家。フランス語やイタリア語からの翻訳・翻案のほかに,数編の悲劇,喜劇をものしたとされるが,確実ではない。演劇史上彼の名は《スペイン悲劇》(1585ころ初演)1作によって記憶される。スペインの将軍ハイエローニモが,政略結婚の犠牲になって暗殺された息子ホレーシオの復讐を誓い,辛酸をなめて犯人を探し当てたのち,宮廷で演じられる劇中劇に彼らを引き入れ,演技と見せて彼らを殺しみずからも自殺する,という筋。この劇は,悲嘆のあまり半狂乱に陥る主人公の心理描写に加えて,劇中いく度も現れて血の復讐を促す亡霊,誇張された朗誦体で語られる独白,といったローマのセネカの劇作の流れを汲むセンセーショナルな道具立てによって,この後,J.マーストンやC.ターナーらに受け継がれていく流血復讐悲劇の流行の端緒を開いた。シェークスピアの《ハムレット》はこの悲劇に構想の多くを負っていると考えられるが,ことによると,1580年代末に上演されて人気を博し,《ハムレット》の粉本となったとされるいわゆる《原ハムレット》の作者はキッドであるのかもしれない。
執筆者:笹山 隆
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キッド
キャプテン・キッドCaptin Kiddの名で知られた英国の海賊。初め対仏植民地戦で西インド諸島で私掠(しりゃく)船船長として活動。1696年政府から海賊討伐を命ぜられマダガスカル島に行ったが,逆に海賊の首領となり,1699年捕らえられて本国に送還,絞首刑になった。その財宝にまつわる伝説が多い。
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キッド
生年月日:1858年9月9日
イギリスの社会哲学者
1916年没
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報