クロルプロマジン(英語表記)chlorpromazine

翻訳|chlorpromazine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

C17H19ClN2S 。フェノチアジン誘導体の研究中に得られた静隠薬。それまで動物の寄生虫治療に用いられていたものが 1951年よりヒト用に実用化され,乗物酔いなどに使われていたが,52年,H.ラボリが精神鎮静に使い成功した。その後,冬眠療法に用いられはじめ,次いで向精神薬として単独に用いられるようにもなった。

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百科事典マイペディアの解説

化学式はC17H19N2ClS。1951年以後フランスで開発された最初の冬眠麻酔薬。少量では鎮静作用があり,大量では睡眠を催す。特に交感神経に対する抑制作用が強く,アドレナリンと拮抗(きっこう)する。塩酸塩を内服・注射により用い,麻酔準備,強化麻酔,悪心,嘔吐(おうと),痙攣(けいれん),夜尿症などに効果がある。白血球減少,低血圧などの副作用があり,心臓血管障害患者にも注意を要する。
→関連項目血圧降下薬

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大辞林 第三版の解説

精神安定薬の一。統合失調症などの治療のほか、麻酔の準備・強化に用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

局方名を塩酸クロルプロマジンといい、強力精神安定剤(メジャートランキライザー、抗精神病薬)の代表的薬物である。1950年にフランスのローンプラン社でフェノチアジン系化合物の研究からみいだされた。精神神経科における薬物療法の進歩はクロルプロマジンの登場から始まるとも考えられる。中枢神経および自律神経の抑制作用により鎮静、制吐、麻酔および催眠強化の目的で使用される。適応は、統合失調症(精神分裂病)、人工冬眠、そう病、神経症における不安、緊張、悪心(おしん)、嘔吐(おうと)、吃逆(きつぎゃく)(しゃっくり)、破傷風に伴うけいれん、麻酔前投薬、鎮静・鎮痛剤の強化など。錠剤(12.5ミリグラム、50ミリグラム、100ミリグラム)、10倍散、顆粒(かりゅう)、シロップ、注射液(0.5%、1%、2.5%)の製品が市販されている。「ウインタミン」「コントミン」が有名である。[幸保文治]

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精選版 日本国語大辞典の解説

(chlorpromazine) 抗精神病薬の一つ。局方名塩酸クロルプロマジン。鎮静・鎮痛・制吐・麻酔および催眠強化の目的で、躁病や統合失調症、ショック状態の治療に用いられる。

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化学辞典 第2版の解説

2-chloro-10-[(3-dimethylamino)propyl]phenothiazine.C17H19ClN2S(318.87).2-クロロフェノチアジンにナトリウムアミドの存在下で3-(ジメチルアミノ)プロピルクロリドを作用させると得られる.アミン臭のある油状液体.沸点200~205 ℃(0.1 kPa).精神分裂症に用いられるトランキライザー.少量で鎮静作用を,大量で睡眠を起こさせる.塩酸塩は白色結晶.融点194~196 ℃.LD50 405 mg/kg(マウス,経口)[CAS 50-53-3][CAS 14923-91-2:塩酸塩]

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世界大百科事典内のクロルプロマジンの言及

【向精神薬】より

…49年にオーストラリアのケイドがリチウムの抗躁(そう)病作用をみつけた。52年には抗ヒスタミン薬と抗マラリア薬との交点にあったクロルプロマジンと,インドの民間療法から発見されたレセルピンとがつくられ,劇的な抗精神病作用をもつことがわかった。筋弛緩薬,メフェネシンの誘導体であるメプロバメートに抗不安作用が確かめられたのは55年であった。…

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