コルダイテス(読み)こるだいてす

デジタル大辞泉 「コルダイテス」の意味・読み・例文・類語

コルダイテス(〈ラテン〉Cordaites)

古生代石炭紀からペルム紀に繁栄した裸子植物。大形のものは高さ約30メートル、葉は細長くて長さ1メートルに達し、葉に平行脈がある。コルダぼく

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精選版 日本国語大辞典 「コルダイテス」の意味・読み・例文・類語

コルダイテス

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] cordaites ) =コルダぼく(━木)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コルダイテス」の意味・わかりやすい解説

コルダイテス
こるだいてす
[学] Cordaites

古生代の石炭紀からペルム紀(二畳紀)にかけて繁栄した裸子植物の絶滅群コルダイテス類の基準属。南北両半球に分布した木本で、日本では宮城県登米(とめ)市のペルム紀米谷(まいや)層群(米谷植物群)から多産する。高木から湿地性の灌木(かんぼく)まで生活型は多様である。葉は幅3~7センチメートルの帯状で長さ10~20センチメートル、ときに1メートルに達し、葉脈は中肋(ちゅうろく)のない平行脈を特徴とする。南半球ゴンドワナ大陸のものはネゲラチオプシスNoeggerathiopsisとよばれ、北半球のものより一般に小形でへら型である。樹幹化石はコルダイキシロンCordaixylonあるいはメソキシロンMesoxylonとよばれているもので、材構造で区別される。

 生殖器官の化石はコルダイタントゥスCordaitanthusとよばれ、これは雌雄別で、いずれも細長く伸びた穂を形成する。雌性生殖器官は主軸上の葉(包葉)とその上側つけねに生じた生殖枝が単位となって、主軸上に繰り返されたもので、同じ基本構造は非常に単純化されてはいるが現在の球果植物針葉樹類)とグネツム類にもみられる。このため、両者との類縁が示唆されている。しかし、受精方法に花粉管受精と精子受精の両方が確認されているなど、形質多様性がみられることから、複数系統を含む群である可能性も指摘されている。

[西田治文]

『西田誠編、進化生物学研究所・東京農業大学農業資料室共同企画『進化生研ライブラリー4 裸子植物のあゆみ――ゴンドワナの記憶をひもとく』(1999・信山社)』

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改訂新版 世界大百科事典 「コルダイテス」の意味・わかりやすい解説

コルダイテス
Cordaites

約3億~2億年前の石炭紀,二畳紀に繁茂した代表的な裸子植物の葉につけられた形態属名。この葉をもつ植物は針葉樹類の祖先系と考えられている。樹幹は30mにも達する高木で,頂端近くに樹冠をつくり,葉はらせん状に配列し,現生ユッカの葉に似て単葉,平行脈を示し,大きいものでは長さ1m,幅15cmにも達した。葉の形によって,鈍頭のものをユーコルダイテスEu-Cordaites,鋭頭のものをドリコルダイテスDory-Cordaites,幅の狭いものをポアコルダイテスPoa-Cordaitesと区別して呼ぶことがある。樹幹は針葉樹と同じく真正中心柱をもつが髄は大きく直径1.5cmにも達する雌雄別々の球果をつくり,コルダイアンサスCordaianthusと呼ばれる。コルダイテス類から葉は極端に小型となり,髄も小型化し,球果も単純化し,二畳紀に産するレバキア科Lebachiaceaeを経て現生の針葉樹類に進化したと考えられている。1mもあるコルダイテスの葉が同じ古生代後期のなかで1cmくらいのレバキアの葉に変わりうるかと疑問をもつ学者もある。
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百科事典マイペディア 「コルダイテス」の意味・わかりやすい解説

コルダイテス

石炭紀後期〜ペルム紀に繁茂した裸子植物。高さ40m,直径4mにも達する。幹の表面が,現生のブナの肌(はだ)のようになめらか。たくさんの小枝が頂部から分かれ,枝の先に数十cm〜1mの細長い葉を密生する。葉は単葉で平行脈をもつ。
→関連項目石炭

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コルダイテス」の意味・わかりやすい解説

コルダイテス
Cordaites

古生代末期に栄えた裸子植物コルダイテス目に属する化石植物で,平行脈をもつ葉につけられた属名。針葉樹類の祖先といわれ,マツ,スギ,ヒノキ類に似た高さ 10~30mに達する高木。

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