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コルモゴロフ Kolmogorov, Andrei Nikolaevich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コルモゴロフ
Kolmogorov, Andrei Nikolaevich

[生]1903.4.25. タンボフ
[没]1987.10.20.
ソ連の数学者。モスクワ大学卒業 (1925) 。引続き研究員として大学にとどまる。同大学教授 (31) ,同大学の数学研究所所長に就任 (33) 。初めはロシア史および古代ロシア美術に興味を示す。在学中からオリジナルな研究を始め,1925年頃から取組んだ確率論に関する研究は最も有名な業績で,大数の強法則に関する「コルモゴロフの定理」や確率過程に関する彼の定理がある。また測度論によって確率論を公理的に構成し,『確率論の基礎概念』 (33) を著わし,現代確率論を樹立した。青少年の数学教育に熱心で教科書を執筆したり,数学教育の団体の長をつとめたり,中等レベルで新しい数学の科目を導入するなど,この分野でも指導的役割を果した。また,弁証法的唯物論に基づいた数学史の著作もある。ソビエト国家大賞 (40) をはじめ数々の名誉を受けた。

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デジタル大辞泉の解説

コルモゴロフ(Andrey Nikolaevich Kolmogorov)

[1903~1987]ソ連の数学者。モスクワ大教授。確率論の基礎の確立に大きく貢献したほか、位相数学制御理論数理統計などにも業績を残した。著「確率論の基礎概念」など。

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百科事典マイペディアの解説

コルモゴロフ

ソ連の数学者。1931年モスクワ大学教授。確率論を実変数関数論に結びつけて発展させ,大数の法則を完成,マルコフ過程,確率過程の理論を立てた。フーリエ級数位相数学でも重要な業績がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

コルモゴロフ【Andrei Nikolaevich Kolmogorov】

1903‐87
ソ連の数学者。タンボフの農家に生まれ,1925年モスクワ大学を卒業。31年から同大学教授,のち同大学数学力学研究所所長となる。39年から科学アカデミー会員,41年にスターリン賞を受賞した。彼の確率論における輝かしい業績には最大級の賛辞が与えられている。大数の法則など種々の極限定理について,多くはその最終的な結果にまで到達している。1933年に出された《確率論の基礎概念》は近代確率論にその基盤を与え,またマルコフ過程の解析的研究法を提唱し,戦後は数理統計や制御理論などで重要な貢献をしており,晩年は情報理論の研究もある。

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大辞林 第三版の解説

コルモゴロフ【Andrei Nikolaevich Kolmogorov】

1903~1987) ソ連の数学者。確率論を測度論に基づいて公理論的に体系づけ、現代確率論の創始者となる。その後、情報理論の数学的研究を行う。著「確率論の基礎概念」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コルモゴロフ
こるもごろふ
Андрей Николаевич Колмогоров Andrey Nikolaevich Kolmogorov
(1903―1987)

ソ連の数学者。モスクワ近くのタンボフ生まれ。1925年モスクワ大学を卒業、1931年からモスクワ大学教授となった。1939年にはソビエト科学アカデミー(現、ロシア科学アカデミー)会員に選ばれ、その後、スターリン賞を受賞、また社会主義労働英雄となり、1967年にはアメリカ科学アカデミー会員、続いてパリ科学アカデミー外国人会員に選ばれている。
 幼時に母を失い、おばの手で育てられ、大学へ入る前、列車の車掌も務めたが、このときニュートン力学の勉強をした。大学入学時には、ロシア史の研究もしていたが、このとき数値計算の問題にぶつかり、数学に関心をもつようになった。そしてステパーノフV. V. Stepanov(1889―1950)の三角級数のセミナーに出席し、これを機会に研究の中心は数学へと傾いていった。1922年には、ほとんど至る所で発散するフーリエ級数の例を構成した。大学を出てから確率論に興味をもちだし、1929年には確率概念の公理化に成功した。この成果は彼のドイツ語の著作『確率計算の基本概念』Grundbegriffe der Wahrscheinlichkeitsrechnung(1933)で発表された。これは、確率論の基礎を確立したもっとも重要な仕事である。その後も確率論をはじめ数学の多くの分野、たとえば集合論におけるコルモゴロフ演算子、エルゴード問題、一般化された空間における代数的位相幾何学の構成、ヒルベルトの問題の解決などに貢献した。[井関清志]

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世界大百科事典内のコルモゴロフの言及

【エルゴード理論】より

… エルゴード的であれば,運動はできるだけ乱れたものに落ち着くはずであり,惑星運動に見られる秩序は疑問を提示する。このようなことからエルゴード性は容易に破れるのではないかと考え,コルモゴロフ=アーノルド=モザーの定理(KAMの定理)を引合いに出す人々もいる。相互作用のある非調和振動子の集りがあり,縮退がないとすると,相互作用が弱い限り,この系は完全積分系であって,その運動は相互作用のないときの運動に近い。…

【確率】より

… より進んだ確率論を展開するには,同じ考え方ではあるがもっと一般的な定義に拡張しておく必要がある。そのようなものとして,1933年にソ連のA.N.コルモゴロフによって提唱された公理系がある。根元事象をωとかき,それらの全体をΩとする。…

【確率論】より

… 今世紀になって,集合論をはじめとする近代数学を駆使することによって,その基礎が厳密な論理のうえに打ち立てられ,取り扱いうる内容を飛躍的に豊かにした。ソ連のA.N.コルモゴロフは,1933年その著書《確率論の基礎概念》で確率論の出発点となる確率空間の概念を導入し,近代確率論の発生に大きく貢献した。その空間は根元事象ωの集りであるΩ,その部分集合である事象を集めた族B,事象Aの確率P(A),ABからなる。…

【大数の法則】より

…ベルヌーイ型の大数の弱法則とコルモゴロフの大数の強法則とがある。 X1,X2,……,Xnを独立で,平均値がmで標準偏差がσである同じ分布に従う確率変数とする。…

※「コルモゴロフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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