コーパル(英語表記)copal

翻訳|copal

デジタル大辞泉 「コーパル」の意味・読み・例文・類語

コーパル(copal)

ワニスなどの原料にする、天然樹脂総称本来東アフリカ産の樹脂化石または半化石のこと。コパル

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精選版 日本国語大辞典 「コーパル」の意味・読み・例文・類語

コーパル

〘名〙 (copal)⸨コパル⸩ 各種の原植物から得られる天然樹脂の総称。元来は、東アフリカに産する化石または半化石樹脂をさした。おもにワニス製造に用いられる。
※海の光(1949‐56)〈檀一雄〉六「白色ペイントや、コーパルワニス」

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改訂新版 世界大百科事典 「コーパル」の意味・わかりやすい解説

コーパル
copal

天然樹脂の一つ。元来は東アフリカの木コパイフェラ・デメウシイCopaifera demeusiiがつくったものが,地中に埋まったもの(化石樹脂)である。今は,ワニス塗料に使われる類似性状の天然樹脂が,産地名をつけてコーパルと呼ばれている。著名なものとして,上記のコンゴコーパルのほかに,カウリコーパルAgathis australis(ニュージーランド産),マニラコーパルA.alba(フィリピン産),ザンジバルコーパルTrachylobium verrucosum(東アフリカ産),ブラジルコーパルHymenaea courbaril(南米産)などがある。化石樹脂のほか,木のまたにたまったもの,木を傷つけてとったものもある。このようにさまざまな樹種よりとった樹脂であるので,化学組成は互いに違う。油にとけにくい塗料用樹脂として,ダマール樹脂と区別して使われる。日本は全量東南アジアより輸入している。
ダマール
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百科事典マイペディア 「コーパル」の意味・わかりやすい解説

コーパル

天然樹脂の一種。元来は東アフリカのコパイフェラ・デメウシイという木の化石樹脂のことだが,現在では類似の性状をもつ天然樹脂を,産地名を冠してコンゴコーパル(前記の東アフリカ産のもの),マニラコーパル(フィリピン産)などと呼ばれている。淡黄色透明ないし褐色不透明の塊状物で,有機溶剤可溶ワニスラッカー製紙サイズ印刷インキなどに用いられる。
→関連項目樹脂ダマール

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コーパル」の意味・わかりやすい解説

コーパル
こーぱる
copal

天然樹脂の一種。植物生理的または病的分泌物であり、一般に、樹皮に傷をつけて浸出させてつくる。産地によって種々のものがある。コーパルとは、分泌物が空気中で低重合して、もろい固体となったものをいう。塗料原料などになる。

垣内 弘]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コーパル」の意味・わかりやすい解説

コーパル
copal

天然樹脂の一つ。化石化,半化石化したものや現存樹木から分泌されるものもあり,採取方法はさまざま。生コーパルは溶解性が大きくアルコール,ベンゾール,テレビン油に溶かしてワニス,接着剤に用いる。一般にコーパルは硬度,耐久性,耐摩耗性,耐薬品性を有するため,コーパルを配合したワニスは高級品として重用される。化石樹脂,または半化石樹脂に近いコーパルは一度熱溶解してから使う。多くは産出する土地の名称でコンゴコーパル,マニラコーパルなどと呼ばれる。

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世界大百科事典(旧版)内のコーパルの言及

【ダマール】より

…日本は全量を東南アジアより輸入している。 ダマールは,コーパルcopalとともにかつて塗料用樹脂の主原料であった。両者は実用上しばしば混同されるが,その性質にはいくつかの顕著な違いがある。…

【木】より

…漆やゴムはそれぞれウルシノキとパラゴムノキの樹皮に傷をつけて分泌される乳液を集めて加工したものである。マツ類のテルペン類,モミ属のバルサムモミなどの樹脂(やに)はそれぞれ化学製品の原料や試薬用に供されるが,ナンヨウスギ科のAgathisなどの樹脂すなわちコーパルは重要なワニス原料であり,生木に傷をつけて採るほか地中や湖沼中に埋もれているものを掘り出して用いる。日本の和紙などで代表される手すき紙は,クワ科のコウゾ,あるいはジンチョウゲ科のミツマタ,ガンピ類などの長くじょうぶでしかも光沢のある靱皮繊維を利用したものである。…

【ダマール】より

…日本は全量を東南アジアより輸入している。 ダマールは,コーパルcopalとともにかつて塗料用樹脂の主原料であった。両者は実用上しばしば混同されるが,その性質にはいくつかの顕著な違いがある。…

※「コーパル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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