カナダ,オンタリオ州南東部の鉱山都市。大都市域人口16万1081(2005)。カナダ楯状地上のタイガ地帯に位置する。付近一帯は世界最大のニッケル産出地として知られるほか,銅,白金,コバルトなども大量にとれる。カナダ国際ニッケル会社INCOなどがあり,製錬工業も盛んである。1883年カナダ・パシフィック鉄道の敷設工事中に,銅・ニッケル鉱脈が発見された。両次大戦を通じて飛躍的に発展したが,第2次大戦後は大気汚染が問題にされ,1970年代初めに州によって汚染防止規制が実施された。
執筆者:正井 泰夫
サドベリー市の北方にある巨大な塩基性貫入岩体(サドベリー貫入岩体)に沿ってニッケル,銅,白金,金,銀,セレン等を含む磁硫鉄鉱,黄銅鉱,磁硫ニッケル鉱等の鉱床が断続的に連なって存在し,ニッケル,銅を生産するとともに,白金,金,銀,セレン,テルル等を採取している。
執筆者:山口 梅太郎
サドベリー貫入岩体は,長径約60km,短径約25kmのリング状の形をして露出している。形は漏斗状で,厚さは約3km。層状貫入岩体で,上部はマイクロペグマタイトと呼ばれるグラノファイアー質の岩石,下部はノーライトからなる。岩体の下盤には始生代の花コウ岩,片麻岩を主とする岩層があり,上盤にはホワイトウォーター統と呼ばれる凝灰岩,砂岩,粘板岩からなる地層がのっている。貫入の時代は約20億年前,下部原生代である。岩体の下底部および下盤の岩層中に硫化物に富む塩基性ノーライトが不連続なシート状岩体ないし岩脈として貫入しており,とくに硫化物の多い部分が銅・ニッケル鉱床として採掘されている。鉱床は正マグマ性鉱床の典型的なものと考えられており,おもな鉱石鉱物は磁硫鉄鉱,ベンドランド鉱,黄銅鉱,キューバ鉱などである。1883年に発見されて以来すでに600万t以上のニッケルを産出している。貫入岩体のまわりの岩石中にはシャッターコーンなど衝撃のあったことを示す特殊な構造がみられることから,マグマは隕石の衝突に触発されて生成したもので,サドベリー地域の構造全体は化石隕石孔(アストロブレーム)であると考えられている(R. ディーツ,1964)。
執筆者:兼平 慶一郎
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カナダ、オンタリオ州南東部の一大鉱業都市。人口8万5354、大都市域人口15万5601(2001)。北部オンタリオで最大の商業中心地である。1883年にニッケルが発見されたが、初期は銅を産出していた。世界最大のニッケル生産会社ヴァーレ・インコ社のサドベリー鉱床帯があり、2007年のニッケル生産量は8万2700トンであった。そのほか銅、コバルト、パラジウム、プラチナなども産する。カナダ横断鉄道が敷設され、1930年に市となった。
[山下脩二]
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