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サムエル Samuel

翻訳|Samuel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

サムエル
Samuel

前 11世紀末頃在世のイスラエル預言者。モーセからダビデにいたるイスラエルの歴史で最も傑出した人物の一人。『サムエル記』では先見者,ナジル人,最後の士師として描かれている。サムエルの物語には修正や誇張が多く,正確な人物像は把握しがたい。サムエルは母ハンナの熱心な祈りにより生れ (父はエルカナ) ,シロの聖所で育ったが,少年の頃神が彼に現れ,シロの祭司エリの家の没落を予告したことを契機に預言者になった (サムエル記上3・2~20) 。ナジル人としての彼は,バール神を崇拝するシンクレティズムからヤハウェ信仰を守ることに力を尽したが,彼の最大の功績はサウルとダビデを導き,イスラエルの王政を確立したことである。

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百科事典マイペディアの解説

サムエル

前11世紀のイスラエルの士師(しし),預言者。ペリシテ人の圧迫から民族を救い,サウルをイスラエル最初の王として即位させたが,のちダビデを立てた。その事跡は旧約聖書の《サムエル記》に詳しい。
→関連項目士師

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世界大百科事典 第2版の解説

サムエル【Samuel】

旧約聖書に出てくる人物で,前11世紀の士師,祭司。預言者の機能をあわせ持つ。エフライムの人,ラマ出身,神の人,先見者,預言者,士師と呼ばれる。イスラエルの王制導入に際して決定的役割を果たした。エルカナとハンナの子。母ハンナの祈りによって与えられ,シロの神殿祭司エリの下にあずけられ,預言者として召された(《サムエル記》上3)。イスラエルの最後の士師として,ベテル,ギルガル,ミズパの各地を巡回した。また偶像礼拝を警告し,ペリシテ人の攻撃に際して民に悔い改めを求め,神にとりなしを祈ったためペリシテ軍は奇跡的に敗退した(7)。

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大辞林 第三版の解説

サムエル【Samuel】

旧約聖書サムエル記に記される古代イスラエルの預言者で、最後の士師。神ヤハウェの許しを得て王国建設に踏みきり、サウルを初代国王としたが、のち不和となりダビデを立てた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

サムエル
さむえる
em'lヘブライ語
Samuel英語

古代イスラエルの士師(神の霊力を受けた指導者)、祭司、預言者、神の人。エフライム出身。イスラエルの王国成立に重要な役割を果たしたと考えられるが、複数の伝承が混在し、一義的に人物像を抽出することはできない。サムエル自身は王制に反対したが、ペリシテの圧迫に苦しむ民の意思に従ったともいわれる。神のお告げを知らせる預言者として、サムエルはサウルをイスラエルの君(ナギード)と認め、彼に油を注ぐ儀式を行い、王とした。しかし、サウルが神のことばに背いたために、サムエルは、新たにダビデを選んで油を注いだ(「サムエル記」上・1~16、19、28章)。[市川 裕]

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世界大百科事典内のサムエルの言及

【サムエル記】より

…旧約聖書の《士師記》と《列王紀》の間にある上・下2巻の歴史書。書名にもかかわらず,預言者サムエルが主役を演じるのは上8章までと12章のみである。上1~7章は,シロの神殿に仕えたサムエルの少年時代,シロを中心とするイスラエル部族連合がペリシテ人に敗北した経緯,士師サムエルの活動などについて,上8~15章は,サウルがイスラエル初代の王に選ばれたいきさつ,サウルとペリシテ人の戦い,サウルとサムエルの仲たがいなどについて語る。…

【預言者】より

…モーセに預言者的要素が強いことは彼についての旧約聖書の記述にさかのぼり,歴史的に考えてもある程度にこれを認めうる。モーセ時代に続くいわゆる士師の時代に輩出した〈カリスマ的指導者〉士師に預言者的要素が強いことも当然であるが,そのような預言者的伝統を受けて士師時代の終り,王国時代の初めに活動したサムエルに狭義の預言者の最初の活動を見いだしたい。預言者はイスラエルにおいて,その歴史の危機の時代に一回一回に登場し,しかもその危機は士師の場合のように局地的なものでなく,国家の政治的危機を前提とする。…

※「サムエル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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