サンジエ(読み)さんじえ(英語表記)Gustave Singier

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

サンジエ
さんじえ
Gustave Singier
(1909―1984)

フランスの画家。ベルギーのバルヌトン生まれ。1919年、10歳のとき両親とともにパリに移住、のちフランス国籍となる。14歳ごろから絵を描き始め、25年から3年間エコール・ブールで装飾美術を学び、室内装飾家として生計をたてる。その間もモンパルナスの画塾に通い、ルーブル美術館でも研究を重ね、36年以降はアンデパンダン展やサロン・ドートンヌ、さらにはサロン・デ・チュイルリーなどに出品、45年には、かつての「フランス伝統の青年画家」グループの一員としてサロン・ド・メの創設に参画した。初期にはキュビスムやフォービスム、表現主義などの影響がみられるが、第二次世界大戦後は抽象様式に向かった。彼は風景から着想を得ることが多く、とりわけ水や光にひかれた。そうした自然の対象を、彼は自己の内面を通して色彩と形態の音楽的なハーモニーに変形する。彼が好んで用いる色は青であり、多様な色調の青が織り成す諧調(かいちょう)は快い。ル・モアルやマネシエらと共通するところも多いが、ニュアンスに富んだ装飾的傾向がサンジエの特徴である。[大森達次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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