サン・シモン(読み)サンシモン

百科事典マイペディア 「サン・シモン」の意味・わかりやすい解説

サン・シモン

フランスの社会改革思想家。名門貴族の長男に生まれ,軍職についてアメリカ独立戦争に参加。フランス革命後,ヨーロッパにおける政治・社会・倫理再編探究,独自の産業社会建設を構想して,その後の社会主義産業主義実証主義に大きな影響を与えた。主著《産業》《産業者の教理問答》《新キリスト教》。エンゲルスによってフーリエオーエンと並ぶ空想的社会主義者とされたことはよく知られるが,一面的な理解である。
→関連項目コント社会主義

サン・シモン

フランスの作家公爵で,宮廷で活躍したが,1723年引退し,《回想録》の著述を死ぬまで続けた。これは1694年―1723年(ルイ14世晩年から摂政時代にかけて)の宮廷を,メモもと多く人物を登場させて詳細に描いたもので,著者主観がとけ合って,活気ある文学となっている。死後出版され,完本は1830年。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「サン・シモン」の解説

サン・シモン
Claude Henri de Rouvroy, comte de Saint-Simon

1760~1825

フランスの空想的社会主義者。いっさいの科学を統一する普遍的法則の発見に努力し,それにもとづきつつ,各人の能力の自由な発展をめざす,産業を中心とした未来社会を構想した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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