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シュトルム シュトルム Storm, Theodor Woldsen

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シュトルム
シュトルム
Storm, Theodor Woldsen

[生]1817.9.14. フーズム
[没]1888.7.4. ハーデマルシェン
ドイツの詩人,小説家。弁護士の息子に生れ,法律を修め,1843年生地で弁護士を開業。シュレースウィヒホルシュタインの政治問題で,デンマーク支配下の故郷を 10年あまり離れ,64年ドイツに帰属したフーズムに戻り,知事をつとめた。

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デジタル大辞泉の解説

シュトルム(Theodor Storm)

[1817~1888]ドイツの詩人・小説家。弁護士・判事としての職のかたわら、北ドイツの陰鬱な自然を背景に、叙情詩から出発して後期には叙事的・写実的な小説を書いた。小説「みずうみ」「白馬の騎士」など。

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百科事典マイペディアの解説

シュトルム

ドイツの作家。弁護士,判事を職とした。抒情詩から出発,小説も初期には《みずうみ(《インメン湖》)》(1849年),《三色すみれ》のように抒情的なものが多いが,後期には写実の要素が強くなる。

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世界大百科事典 第2版の解説

シュトルム【Theodor Storm】

1817‐88
ドイツ写実主義の作家。シュレスウィヒの港町フーズム生れ。キールベルリンの大学で学び生地で弁護士を開業したが,当時郷土を支配していたデンマークからの独立運動を積極的に支持したため,デンマーク政府に弁護士免状を取り消され,生活の道を閉ざされて1853年から10年以上もドイツへ亡命を余儀なくされる。56年にハイリゲンシュタット裁判官となったが,64年フーズムの市民によって市長(代官)に選ばれ故郷に戻った。

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大辞林 第三版の解説

シュトルム【Theodor Storm】

1817~1888) ドイツの詩人・小説家。ロマン派的作風からリアリズムに移行。代表作「みずうみ」「三色すみれ」「白馬の騎士」「水に沈む」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シュトルム
しゅとるむ
Theodor Storm
(1817―1888)

ドイツの小説家、叙情詩人。9月14日、「灰色の海辺の町」と自ら歌った北海に臨む港町フーズムに生まれる。キール、ベルリンの両大学で法律を学び、その間モンムゼン兄弟と知り合い、共同で詩集を刊行。1843年には郷里の町で弁護士を開業。そのかたわら創作の筆も進め、叙情詩のほか、哀愁に満ちた追憶の世界を繰り広げる『みずうみ』(1849)、『アンゲーリカ』(1855)など、繊細な感性と情趣に富む短編を書き始めた。しかしまもなくシュレスウィヒ・ホルシュタイン問題が起こり、独立運動を支援したためデンマーク政府によって職を剥奪(はくだつ)され、52年から12年間亡命生活を強いられた。まずポツダムの陪席判事となり、56年にはザクセンのハイリゲンシュタットに移り、地裁判事となった。その間ベルリンでアイヒェンドルフ、フォンターネ、ハイゼらの知遇を得る。64年、故郷の地がドイツに帰属するとともにフーズムに呼び戻され、行政と司法をつかさどる代官に選ばれた。67年には行政組織の改革に伴い区裁判所判事となる。80年に職を辞して近郊の小邑(しょうゆう)ハーデマルシェンに隠棲(いんせい)、静かな創作の日々を送り、88年7月4日、70歳で同地に没した。
 彼は生涯の大半を法律家として過ごしたが、そのかたわら、愛や自然、ときには政治を歌ったおよそ450編の詩と、約60編の中短編小説を書き、ケラー、ラーベなどとともにドイツ・詩的リアリズムの代表的作家に数えられる。小説家としての創作活動は、「わたしの小説は叙情詩から出発した」といっているように、叙情的・ロマン的要素の強い第1期、『三色すみれ』(1873)、『人形使いのポーレ』(1874)、『静かなる音楽家』(1875)など性格描写や心理分析に鋭さを加えた第2期、そして感傷と諦念(ていねん)の世界から離れ、叙事的・写実的傾向を一段と強めた第3期に分かれる。とくにこの最後の時期には、『水に沈む』(1876)、『グリースフース年代記』(1884)、『白馬の騎者』(1888)など、古文書を手掛りに過去の人間の情熱や悲劇を再現する年代記小説、自己の運命に戦いを挑んで劇的な最期を遂げる人物を主人公とする運命小説の名作を書いた。彼の文学は北独フリースラントの厳しい風土と生活に深く根ざし、その対象とする世界は限られてはいるものの、内面的真実性と悲しいまでの純粋さに貫かれており、時と所を超えて広く読む者の心を打つ。その意味で郷土文学の最高峰をなすともいえる。しかし最近の研究では、貴族や教会に対する激しい批判、遺伝や親子の葛藤(かっとう)など、当時の社会問題への積極的アプローチ、啓蒙(けいもう)精神の発展を阻む社会的因習の告発など、社会批判の文学としての側面も指摘されている。[平田達治]

短編

約60編の中短編のうち実に50編近くが回想形式をとる枠小説である。『みずうみ』に代表されるように、肖像画のモチーフによって失われた青春の日々が呼び起こされ、過去の世界が哀愁に満ちた追憶の調べを伴って静かに語られる。その際、枠によって示される現在との時間的隔たりは、諦念的雰囲気を醸し出すのに役だっている。時は移ろいやすく、生あるものはかならず滅ぶとの諦念的運命観は、繊細な感性、豊かな叙情性とともに、シュトルム文学の基調をなすものであり、彼の作品がとくに日本人の共感をよぶのもこのためである。人間は最後にはひとり寂しく滅びゆき、人々の記憶から消え去ることを彼は悲しみ、『城の中』(1861)では「愛もまた死すべき人間の一人身の孤独に対する不安にほかならない」と語っている。こうした考えを反映して、彼の作品には、家族や恋人との別離を好んで描き、主人公の悲劇的な死をもって終わるものが多い。しかもその死は、文字どおり『水に沈む』(1876)が、そして『後見人カルステン』(1877)や『白馬の騎者』(1888)が示すように、水や高波によって引き起こされる点も特徴的である。彼にとって水あるいは海は生命の源ではなく、混沌(カオス)や死を象徴するものであった。このように彼の美しく、また哀(かな)しい作品は、暗鬱(あんうつ)な北海の厳しい自然のなかから生まれたものであり、故郷の世界と強く結び付いている。諦念の美学を尊び、故郷を愛する日本人の心情にこれほどかなった外国作家も珍しい。[平田達治]
『高橋義孝他訳『シュトルム選集』全8巻(1959~60・清和書院)』

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世界大百科事典内のシュトルムの言及

【児童文学】より

…一方では,L.ティーク,ブレンターノ,F.de la M.フケー,E.T.A.ホフマンが不思議な物語を手がけ,その流れから創作としてぬきんでたW.ハウフの《隊商》(1826)が生まれた。T.シュトルムやA.シュティフターにも子どもに向く作品はあるが,レアンダーR.Leanderの《フランス風暖炉のそばの夢想》(1871)とザッパーA.Sapperの《愛の一家》(1906)が大きな収穫となった。前者は童話,後者は家庭小説である。…

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