シュロップシャー(その他表記)Shropshire

翻訳|Shropshire

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュロップシャー」の意味・わかりやすい解説

シュロップシャー
Shropshire

イギリスイングランド西部の単一自治体(ユニタリー unitary authority)。旧称サロップ。行政府所在地シュルーズベリー。1998年にテルフォード・リーキンが分離し,2009年に県から単一自治体に移行した。西はウェールズに接する。北西から南東へ貫流するセバーン川によって,南西部の高地北東部の平野に分けられる。高地は深い峡谷を挟んで北東―南西方向に連なるウェンロック,ビューなどの丘陵や南西端部のクラン森林などからなる。平野部は標高約 60mの低地で,多くの川がゆるやかに流れ,以前は大部分が湿地帯であった。後期新石器時代以降の先史時代遺物やローマ時代の遺跡が多く,シュルーズベリー下流のセバーン川沿岸にはローマ時代にブリタニア最大の町の一つビロコニウムがあった。アングロ・サクソン時代にはケルト人系の先住民からサクソン人(ザクセン人)を守るため,西境に沿って「オッファの防塁」が建設された。12世紀以降はウェールズ人の侵入や辺境諸侯の反乱で悩まされたが,13世紀から羊毛産業が発展し,シュルーズベリー,ラドロー,ブリッジノースなどの町が繁栄。18世紀初めエブラハム・ダービーによってセバーン川沿岸のコールブルックデールに,イギリス最初のコークスを用いた製鉄所が建設されてから近代工業が発展し始め,18世紀末から 19世紀にかけてはイギリスで最も豊かな製鉄地帯であった。主産業は農業で,穀物テンサイジャガイモなどが栽培され,牧畜酪農も盛ん。粘土石灰岩などの採掘も行なわれる。面積 3197km2人口 28万9300(2006推計)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュロップシャー」の意味・わかりやすい解説

シュロップシャー
しゅろっぷしゃー
Shropshire

イギリス、イングランド中部、ウェールズとの境界近くに位置するカウンティ(県)。1974年の地方行政改革によってサロップSalopと改称されたが、その後もこの旧県名が用いられることが多く、1980年には再びシュロップシャーと改称された。面積3197平方キロメートル、人口28万3240(2001)。1998年レキン地区がユニタリー・オーソリティー(一層制地方自治体)として分離した。県都シュルーズベリー。東部の平野をセバーン川が流れる。西部、とくに南西部はウェールズの山地にかかっている。北部では酪農、南部では家畜の飼育が盛ん。麦類、ジャガイモ、テンサイなどの農産物の産出も多い。バーミンガムに近く、機械工業も若干発達する。

[久保田武]

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世界大百科事典(旧版)内のシュロップシャーの言及

【ヒツジ(羊)】より

…(2)イギリス・ダウン系種 イギリスのイングランドで成立した無角,短毛の肉用種で,おもな品種としてはサウスダウン種Southdown(イラスト)(サセックス原産。四肢短く肉質佳良で“肉メンヨウの女王”と称される),シュロップシャー種Shropshire(イラスト)(シュロップシャー原産。やや大型で雑種生産に利用されている),サフォーク種Suffolk(イラスト)(顔が黒い短毛でおおわれる。…

※「シュロップシャー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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