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ジェノサイド条約 ジェノサイドじょうやくConvention on the Prevention and Punishment of the Crime of Genocide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ジェノサイド条約
ジェノサイドじょうやく
Convention on the Prevention and Punishment of the Crime of Genocide

正式には「集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約」。 1948年 12月9日に第3回国連総会で全会一致をもって採択され,51年1月 12日に発効した。 genocideは種族殺害を意味する合成語で,この条約は第2次世界大戦中のナチスによるユダヤ人集団殺害などの非人道的行為に対する批判として生れた。その第1条で「集団殺害が平時に行われるか戦時に行われるかを問わず,国際法上の犯罪であることを確認し,これを防止し処罰する」ことを約束している。また第2条で「国民的,人種的,民族的又は宗教的集団を全部又は一部破壊する意図をもって行われた」殺人,加害などを集団殺害と規定している。なお第6条において,行為地の国内裁判所のほか,国際刑事裁判所の管轄権も予定されている。当事国は 98年現在,125ヵ国 (日本未加入) 。

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知恵蔵の解説

ジェノサイド条約

第3回国連総会が1948年12月9日、集団殺害を国際法上の犯罪とし、防止と処罰を定めるため採択した条約。正しくは集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約。51年1月12日に発効したが、日本は加入していない。ジェノサイドというのは、「種族」(genos)と「殺害」(cide)の合成語であり、国民的、人種的、民族的、宗教的集団を破壊する意図で、集団構成員を殺害し、肉体的・精神的危害を加え、肉体的破滅をもたらす生活条件下に置き、出生防止措置を科すような行為、を総称する。第2次大戦中にナチスが行ったユダヤ人の大量虐殺は、典型的なジェノサイドであり、戦後のニュルンベルク裁判で「人道に対する罪」として処罰された。この条約はそれを一般化したもので、行為者は国家統治者、公務員、私人を問わず、また共同謀議、教唆、未遂、共犯も処罰することにしている。行為地の国内裁判所だけでなく、旧ユーゴスラビアやルワンダ等の国際刑事裁判所(戦犯法廷)もその処罰を定めている。

(宮崎繁樹 明治大学名誉教授 / 2008年)

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デジタル大辞泉の解説

ジェノサイド‐じょうやく〔‐デウヤク〕【ジェノサイド条約】

1948年12月の国連総会で採択された、集団殺害罪の防止および処罰に関する条約。国民・人種・民族・宗教上の集団を殺害し迫害する行為を防止し、国際法上の犯罪として処罰しようとするもの。

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百科事典マイペディアの解説

ジェノサイド条約【ジェノサイドじょうやく】

正称は〈集団殺害罪の防止および処罰に関する条約〉。ジェノサイドgenocideは集団殺害の意。1948年第3回国連総会で採択。第2次大戦中にユダヤ人など特定の宗教・政治的信条を奉じる,あるいは特定の国家・民族に属する人びとに対して,集団殺害その他非人道的な迫害行為がなされたが,この条約は戦時・平時を問わずこのような行為を国際犯罪と断定し,今後再び同じ惨禍が繰り返されることのないよう適当な措置をとることを定めている。
→関連項目国際軍事裁判戦争法規

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大辞林 第三版の解説

ジェノサイドじょうやく【ジェノサイド条約】

正称、集団殺害罪の防止および処罰に関する条約。1948年国連総会で採択。1951年発効。ジェノサイドの定義・ジェノサイドを行なった者の処罰などについて定める。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ジェノサイド条約
じぇのさいどじょうやく
Genocide Convention

「集団殺害罪の防止および処罰に関する条約」の略称。ジェノサイドはギリシア語と英語の合成語で、集団殺害を意味する。第二次世界大戦中、ナチス・ドイツによってユダヤ人の大量虐殺が行われ、戦後に国際軍事裁判所による「人道に対する罪」を犯した犯罪人の処罰をもたらしたが、この条約は、このような非人道的行為の防止と処罰を一般的に制度化しようとするものである。1948年12月、国連総会で全会一致によって採択され、51年1月に発効した。1998年現在、アメリカ、ロシア、イギリス、中国、フランスを含む129か国が当事国になっているが、わが国はこれに加入していない。
 この条約は集団殺害を国際法上の犯罪とする。条約によれば、「国民的、民族的、人種的または宗教的集団の全部または一部を破壊する意図」をもって行う集団構成員の殺害、肉体的または精神的な重大な加害、肉体的破滅をもたらす意図による生活条件の強制、出生防止措置、児童の強制移住はすべて集団殺害とされ(第2条)、このような行為、その共同謀議、教唆、未遂、および共犯は、平時たると戦時たるとを問わず、処罰されるべきものとされている(第1条、第3条)。そのために当事国は国内立法を行う義務を負う。行為地の国内裁判所のほかに、条約は国際刑事裁判所による国際的手続での処罰をも構想しているが、実際にこの裁判所の設立は容易ではなかった。しかし、1994年に国連国際法委員会の作成した国際刑事裁判所規程草案に基づき、98年ローマで開かれた政府間外交会議で、同裁判所の設立条約および裁判所規程が採択された。この規程で「集団殺害罪」は、裁判の対象犯罪の第一にあげられている。[石本泰雄]

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世界大百科事典内のジェノサイド条約の言及

【ジェノサイド】より

…決議は,ジェノサイドを国際法上の犯罪と述べるとともに,経済社会理事会に対して条約案起草のための研究を要請した。48年12月に国連総会は,〈集団殺害罪の防止および処罰に関する条約〉(通称,ジェノサイド条約)を採択した(1951年1月発効)。
[ジェノサイド条約]
 ジェノサイド条約では,ジェノサイド(集団殺害)を,特定の国民的,人種的,民族的,宗教的集団を全部または一部破壊する意図をもって,(1)集団構成員を殺し,(2)重大な危害を加え,(3)肉体的破壊をもたらす生活条件を故意に課し,(4)集団内の出生防止措置を課し,(5)集団の児童を他の集団に強制的に移すこと,と規定している(2条)。…

【ニュルンベルク裁判】より

… 他方,〈人道に対する罪〉は伝統的な〈戦争犯罪〉と重複する点が多く,国際連合総会もニュルンベルク諸原則の確認と同時に,集団殺害(ジェノサイド)が文明世界の非難する国際法上の犯罪である旨の決議を採択した。さらに総会は1948年に〈集団殺害の防止と処罰に関する条約(ジェノサイド条約)〉を採択し,国民的,人種的,民族的または宗教的集団を破壊する目的で構成員を殺害したり,彼らに重大な肉体的・精神的苦痛を加えるなどの行為の実行者,未遂者,教唆者等の処罰を規定した。また総会は68年に〈戦争犯罪及び人道に対する罪に対する時効不適用に関する条約〉を採択したが,西ドイツもまた79年には謀殺罪の公訴時効廃止に踏み切り,それ以前から国内法で追及してきたユダヤ人虐殺の荷担者たちを永久に訴追しうる道を開いた。…

※「ジェノサイド条約」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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