アフリカのダンスをもとにアメリカの黒人によって発達したダンスの一形式。ジャズのリズムにのって腰の動きを中心として身体を動かす踊りは1910年ころから白人の間でも踊られ,キャッスル夫妻によりフォックストロットが案出された。20年代にはツー・ビートのリズムによるチャールストンが流行した。ジャズ・ダンスという言葉が使われはじめたのは27年ころからだが,20年代後半から30年代にかけタップ・ダンスが登場,その名手としてビル・ロビンソン,F.アステアらが出た。ジャズ・ダンスがブロードウェー・ミュージカルに登場し,ショー・ビジネスの世界に入るのは30年代後半で,《オン・ユア・トゥーズOn Your Toes》(1936)ではG.バランチンがその一部を振り付け,《ブリガドゥーンBrigadoon》(1947)ではアグネス・デ・ミルが,《ウェスト・サイド物語》ではJ.ロビンズが担当するなど,一流の振付者が参加した。ここ数年来,来日公演を続けている黒人を主体にしたアメリカのアルビン・エイリー舞踊団は黒人霊歌やジャズを用いてすぐれた作品を見せている。アメリカには数多くのジャズ・ダンス指導者がいるが,とくにルイジEugene Louis Facciuto Luigi(1925- )はしばしば来日している。日本のジャズ・ダンスは第2次世界大戦後アメリカの駐留軍によりもたらされた。ジルバ,ツイストが流行し70年代にはディスコ・ブームの中でモンキー・ダンス,サーフィン,ゴーゴーが,また80年代には一種の健康法としてジャズ・ダンスがとり入れられた。
執筆者:桜井 勤
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(鈴木晶 舞踊評論家 / 2007年)
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