スルメイカ(英語表記)Todarodes pacificus; Japanese common squid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スルメイカ
Todarodes pacificus; Japanese common squid

軟体動物門頭足綱アカイカ科。胴長 30cm,胴幅 7.5cm。胴は鐘形で,背面後部に広い菱形の鰭が左右に広がる。腕は8本,どれもほぼ等長で胴長の約2分の1である。1対の触腕は長さ 20cmほどある。生時は赤褐色の小斑が多数散在し,背面は濃色。死ぬと褐色に変り,さらに古くなると白色になる。東シナ海から日本の西南海域がおもな産卵場で産卵期は冬から初夏。3つの季節群が認められている。卵は長径 0.8mmほどで多数の卵を含んだ直径 1mほどの寒天質状の大きな卵塊を産み出す。孵化した稚仔は黒潮・対馬海流に運ばれ成長し,北はオホーツク海南部まで索餌回遊し,秋から冬に産卵のため南下する。漁期は北海道で9~10月,東北地方で 10~11月,紀伊半島では 11月で,イカ類中最も多く漁獲される。光に集る習性を利用し,夜間に集魚灯をつけて群れを集め,それを擬餌鉤で釣る。乾製品はケンサキイカの「一番するめ」に対し「二番するめ」といわれるが,産地により松前するめ南部するめ佐渡するめ,隠岐するめなどの名がつけられている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

スルメイカ

農林水産省によると、12年の県内漁獲量は北海道に次ぐ4万5923トンで、全国の27%を占める。県農林水産部によると、県内で同年に水揚げされた全漁獲金額は443億円。そのうち、スルメイカは4分の1を占める116億円で最も多く、ホタテ(84億円)やマグロ(24億円)を上回る。

(2014-01-24 朝日新聞 朝刊 青森全県 1地方)

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百科事典マイペディアの解説

スルメイカ

軟体動物アカイカ科。日本で最も普通に食用とされている。胴の長さ30cmに達し,赤褐色で外套(がいとう)膜の背中線に濃色の色帯があるのでヤリイカ類と区別がつく。死ぬと褐色になり,さらに白色になる。サハリン〜九州,朝鮮半島,沿海州などの水深30〜100mにすむ。おもに夏〜冬に東シナ海で産卵され12〜5月ころ孵化(ふか)した幼イカは成体となり(冬生れ群),黒潮に運ばれ北上し三陸沖〜北海道の太平洋側で漁獲される。年間漁獲高は30万〜60万t前後で,するめにするほか,生食,冷凍,燻製(くんせい),塩辛等とする。
→関連項目イカするめ(鯣)

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栄養・生化学辞典の解説

スルメイカ

 [Todarodes pacificus].ツツイカ目スルメイカ亜目スルメイカ属のイカ.

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スルメイカ
するめいか / 鯣烏賊
[学]Todarodes pacificus

軟体動物門頭足綱アカイカ科のイカ。関東地方から北海道にかけてもっとも普通に食用とされている種である。外套(がいとう)(胴)長30センチメートル、胴幅7.5センチメートルに達し、ひれは菱(ひし)形で後位。8本の腕はほぼ等長で胴長の半分、触腕はおよそ20センチメートルほどである。触腕の大吸盤の角質環には小歯と小板が交互に並んでいる。軟甲は狭いササの葉形をしている。
 産卵は、秋から冬には日本海西部から九州西方の東シナ海にかけて、また夏には中部日本沿海で行われる。このうち秋生まれのものは、主として日本海の沖合スルメイカ漁業を支え、冬生まれの群は三陸から北海道沖に漁場を形成する。夏生まれの群はきわめて小さい資源である。卵は直径0.8ミリメートル前後で楕円(だえん)形、緩い寒天質の卵嚢(らんのう)に包まれている。生まれたばかりの子は本科特有のリンコトウチオンrhynchoteuthion幼生となる。この幼生では、大きくなると2本になる触腕が、分離していない棒状器官となっている。初期の子は、おもに海流によって運搬され、産卵場から北東の方角へ漂流しながら育つ。関東地方では外套長10~15センチメートルぐらいになった若イカをムギイカという。また本種は、関西方面ではマツイカ、九州ではトンキュウという。乾製品は、ケンサキイカのそれを一番するめというのに対し、本種のものは二番するめ、あるいは松前するめという。最近では漁獲量が激減しているが、最高であった1968年(昭和43)には60万トンを超え、単一魚種としては第一位を占めた。[奥谷喬司]

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