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セメンタイト セメンタイト cementite

翻訳|cementite

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

セメンタイト
セメンタイト
cementite

鋳鉄や普通鋼に含まれている鉄の炭化物 Fe3C をいう。結晶の形は斜方晶系に属する。室温で HB 800程度のブリネル硬さをもつ。普通鋼は焼入れをしていない場合,このセメンタイトと極微量の炭素を固溶した鉄との二相混合物であるが,これら二つが層状に析出しているのをパーライトと称している。

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デジタル大辞泉の解説

セメンタイト(cementite)

炭化鉄Fe3Cの金属組織学上の呼び名。白色のもろい結晶で強磁性を示す。鉄鋼中の重要な成分で、その含有量や形態が鋼や鋳鉄の機械的な性質に影響を与える。

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百科事典マイペディアの解説

セメンタイト

鉄と炭素の化合物の一つ。組成上はFe3Cに相当。かたくてもろく,常温では磁性が強い。オーステナイト状態の炭素鋼や低合金鋼焼きなましすると得られ,このとき生じるセメンタイトとフェライトからなる層状組織をパーライトという。
→関連項目白銑

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世界大百科事典 第2版の解説

セメンタイト【cementite】

鉄Feと炭素Cの化合物の一つで,組成はFe3Cに相当する。結晶構造は斜方晶系で,合金鋼の中で生じる場合には鉄原子の一部がマンガン原子などの他の原子と置き換わることもある。金属光沢をもち,硬くてもろいが,鉄鋼材料の強化に利用される各種の炭化物の中では最も軟らかい。約210℃に磁気転移点(キュリー温度)を有し,室温では強磁性である。炭素鋼や低合金鋼を高温のオーステナイト状態からゆっくり冷却したり,焼入れ後に焼き戻すと生じる。

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大辞林 第三版の解説

セメンタイト【cementite】

鉄の炭化物。化学式 Fe3C 鋼の組織成分として存在し、その分布・形状によって鋼を硬くしたり軟らかくしたりする役割を果たす。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

セメンタイト
せめんたいと
cementite

鉄と炭素との化合物(Fe3C)はセメントのように硬いので、セメンタイトとよばれてきた。斜方晶系に属する結晶であり、融点は1250℃、比重7.4、ビッカース硬さ約1300。210℃以下で強磁性を示す。
 セメンタイトは鉄鋼材料の主要な構成相であり、その形態と含有量を適宜に制御することによって鉄鋼材料の性能が著しく改善される。たとえばピアノ線は、炭素濃度が0.8%の鋼を線引き加工したもので、繊維状のセメンタイト結晶が鉄結晶の中に細かく配列している。このピアノ線は強度がきわめて高いので、ワイヤロープなどに使用されている。
 セメンタイトの形態を粒状にすると、鋼の靭(じん)性が向上して、折れにくくなる。橋や車両などに使用されている鋼は、直径約0.3マイクロメートルの微細なセメンタイト粒子を鉄結晶中に分散させたものである。
 また白鋳鉄(はくちゅうてつ)は、融鉄に多量の炭素を溶かし、鋳型(いがた)に流し込んで凝固させたもので、全体の約50%がセメンタイトであり、高硬度部品の材料として使用されている。この白鋳鉄を高温で加熱すると、セメンタイトは不安定な化合物なので黒鉛と鉄とに分解する。この特性を利用して、鋳造の際に微量の球状化剤を加え、約30マイクロメートル直径の黒鉛を鉄結晶中に分散させたものが球状黒鉛鋳鉄であり、通常の鋳鉄よりもはるかに優れた靭性を示す。鉄の炭化物はセメンタイトだけではなく、六方晶系のイプシロン炭化物(Fe2C)なども知られている。[西沢泰二]

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