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センシング センシング sensing

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デジタル大辞泉の解説

センシング(sensing)

センサーを利用して物理量や音・光・圧力・温度などを計測・判別すること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

センシング
せんしんぐ
sensing

必要な情報を用意された手法や装置を使用して収集することをいう。英語のsensingに由来する。人や動物は対象に興味を抱いたときに感覚器官を動員して対象に関する情報を収集する。情報収集の動機は生存のために必要である場合が多い。人間の場合はさらに知的好奇心とか、行動の準備の場合がある。さらに、個人の興味ではなく、情報に対する社会の強い要請に基づく場合もある。いずれの場合も対象について不確かさを減らし、より明確にしたいという欲求があり、それを満たすことがセンシングの目的である。人は自身の感覚器官のみでは得られる情報に限りがあるので、感覚を専門化し、機能を拡大発展させた機械やシステムを利用して、必要な情報を獲得している。対象の情報が得られれば、それを明確なことばで表現できる。また、数値で表現できれば、対象の量に関するあいまいさが減少する。すでにある程度の数値が得られていても、より詳しく求められれば不確かさが減少する。
 われわれの感覚機能を対象にあわせて人工的に拡大発展させ、情報を獲得する技術をセンシング技術という。また、それを実現する装置をセンシング・システムとよぶ。[山弘郎]

センシング技術と計測技術

センシング技術により獲得された情報が、だれでもいつでもどこでも利用できるためには情報が客観化され定量化されていなければならない。情報を収集し、定量化する技術として計測技術がある。計測とは、人の知の対象を量的に把握する目的で情報を獲得し、それを量の体系と結び付けて記述し活用することである。量の体系とは、世界の人々が共有している数値により対象の大きさを表現する枠組みである。量の体系では、数値が示す意味が普遍的でなければ客観性が得られない。そのため、客観性をもつ量の大きさを単位量として定め、それによる量の基準を定めたものが単位系である。
 たとえば、19世紀に国際的な通商が盛んになり、統一されたメートル法が制定された。そのとき世界中のだれにも理解される客観的な長さとして、地球の子午線に沿って赤道から極までの距離を採用し、その1000万分の1を1メートルと定め、メートル単位系を構築した。
 公的に定めた量の基準に基づく計測をとくに計量とよぶ。また、基準量と対象量とを比較して、対象が基準の何倍であるかを数値で示す操作をとくに測定という。計測、計量、測定は同様の意味で使われることがあるが、いずれにせよ、対象を正しく認識し、それを数値で客観的に記述する場合にその技術が活用される。数値で表現されることにより対象に関する不確かさが小さくなり、対象に関する情報量が増加する。[山弘郎]

センシングと認識

人の顔や声のように数値化できない対象でも、それがだれであるかを判別できる正しい情報が得られる過程を認識という。認識を実現する技術やシステムを認識技術および認識システムという。セキュリティの確保のため、顔の認識技術は2000年以降、急激に発達した。認識システムは一部実用になっているが、人間がもつ認識能力にはまだ及ばない。指紋や書かれた文字の認識は実用化されている。郵便番号の自動読取り仕分け装置のように、手書き文字でも対象を数字に限定すれば正しい認識が可能になっている。[山弘郎]

センシングを実現するセンサー

情報を獲得するシステムのなかで情報源にもっとも近い要素をセンサーsensorという。センサーは人の感覚受容器に相当し、対象に関する情報を収集して信号を発信する。出力された信号は、多くの場合電気信号であるから、センサーは対象の状態を電気信号に変換して記述する変換器である。したがって、トランスデューサーtransducerとよばれることもある。
 計測センサーのように出力信号が数値で表現される連続量の場合には、センサーの入力信号と出力信号とは1対1に対応しなければならない。そうでなければ不確かさが増えてしまう。しかし、数値化できない対象では、そのような対応はかならずしも要求されない。もっとも簡単な例は、対象が存在するか、しないかを認識する場合で、二つの場合のいずれかの出力で十分であり、中間の値は不要である。[山弘郎]

センシング技術の社会への貢献

社会のなかで流通している情報は、学術的興味あるいは社会の要請により獲得された情報であるが、人の感覚器官により感性を介して獲得された情報よりはるかに多い情報がセンシング技術により収集されている。天気予報の基礎となる気象情報は気象衛星をはじめ、気象庁により構築された広域気象センシング・システムにより獲得された情報である。東経140度、高度3万5800キロメートルの静止軌道上に位置する気象衛星がリモート・センシングにより収集する雲の画像から台風の位置や進路の予測情報が作成される。それが広く周知されて日常の生活や安全に大きく貢献している。また、商品につけられたラベルから商品名と価格をセンシング・システムが読み取り、売上げを集計する。交通機関の自動改札は切符や定期券を自動的に読み取り、必要があれば精算を行う。このようにセンシング技術は社会のなかに広く深く浸透している。[山弘郎]
『井口征士編『センシング工学』(1999・オーム社) ▽山弘郎著『センサ工学の基礎』第2版(2000・昭晃堂) ▽吉川弘之他編集委員、山弘郎著『岩波講座現代工学の基礎 情報系3 センシングの基礎』(2001・岩波書店) ▽山弘郎著『トコトンやさしいセンサの本』(2002・日刊工業新聞社)』

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