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チロシン tyrosine

翻訳|tyrosine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

チロシン
tyrosine

アミノ酸の一種略号 Tyr 。L体は多くの蛋白質中に存在するが,含量は不定。絹糸様光沢のある針状晶。融点 314~318℃ (分解) ,冷水に難溶である。

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典の解説

チロシン【tyrosine】

アミノ酸の一種で、非必須アミノ酸。チーズから発見され、納豆や味噌、絹糸などに多く含まれる。フェニルアラニンから作られ、神経組織を正常に動かすために重要な役割をもつ。神経伝達物質であるドーパミンノルアドレナリンの前駆体となり脳機能を活性化させる働きをもつほか、自然な抗うつ剤、ストレス軽減作用、集中力向上、皮膚のメラニンの原料になるなどの作用をもつ。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

大辞林 第三版の解説

チロシン【tyrosine】

タンパク質を構成する芳香族アミノ酸の一。絹糸・カゼインに特に多く含まれる。生体内でフェニルアラニンから生成され、アドレナリン・チロキシン・メラニンなどの重要な物質に変わる。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

チロシン
ちろしん
tyrosine

芳香族α(アルファ)-アミノ酸の一つ。非必須アミノ酸で、融点342~344℃。光沢のある微小針状晶。水にきわめて溶けにくい。タンパク質の呈色反応であるキサントプロテイン反応やミロン反応などはチロシンによるもので、これらの反応によって検出や定量が行われる。多くのタンパク質中に含まれるが、とくにカゼイン、絹糸フィブロイン中に多く、これらの加水分解、消化または腐敗による分解で生ずる。古いチーズ中にも含まれ、また遊離の状態でもみいだされる。1846年ドイツの化学者リービヒによりカゼインのアルカリ分解物中から発見され、ドイツの有機化学者エルレンマイヤーらにより合成され、構造が確認された。ジヨードチロシンおよびモノヨードチロシンは、甲状腺(せん)ホルモンの主体であるチロキシンとともに甲状腺に存在する(チロシンが1か所ヨード化されるとモノヨードチロシン、2か所ヨード化されるとジヨードチロシンとなる。ヨードはヨウ素のこと)。ヨードチロシンは種々の海藻および海綿中にも存在する。
 チロシンはフェニルアラニンの酵素的水酸化(生体内で酵素の関与によりヒドロキシ基-OHが導入されること)によって、生体内で生成される。チロシンの酸化的分解には二つの経路がある。一つはフマル酸およびアセト酢酸に分解する経路で、もう一つはチロシナーゼによりドーパ(3,4-ジオキシフェニルアラニン)となり、さらに変化を受けてメラニンおよび副腎(ふくじん)髄質ホルモンのアドレナリンを生成する経路である。チロシンの先天性代謝異常には、チロシン血症、アルカプトン尿症、フェニルケトン尿症のほか、メラニン産生障害による色素脱失症などがあるが、いずれも代謝経路の一部を欠くものとされている。また、生体の種々の制御過程において、関与するタンパク質中のチロシン残基の一部が、チロシンキナーゼによってリン酸化されることにより、細胞の情報伝達系における重要な役割を担っている。[飯島道子]
『W・C・マクマリー著、斉藤正行・矢島義忠訳『人体の代謝』(1987・東京化学同人) ▽日本生化学会編『新 生化学実験講座1 タンパク質5 酵素・その他の機能タンパク質』(1991・東京化学同人) ▽渋谷正史編『がんのバイオサイエンス1 がん遺伝子と抑制遺伝子』(1991・東京大学出版会) ▽浜口道成著『実験医学バイオサイエンス6 がん・増殖・分化の演出家チロシンキナーゼ』(1992・羊土社) ▽船山信次著『アルカロイド――毒と薬の宝庫』(1998・共立出版) ▽R・K・マレー他著、上代淑人・清水孝雄監訳『ハーパー生化学』原書28版(2011・丸善)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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