つみ(その他表記)Japanese lesser sparrow hawk
Accipiter gularis

精選版 日本国語大辞典 「つみ」の意味・読み・例文・類語

つみ

  1. 〘 名詞 〙つぶ(螺)
    1. [初出の実例]「おり立ちて浦田に拾ふ海士の子はつみより罪を習ふなりけり」(出典:山家集(12C後)下)

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改訂新版 世界大百科事典 「つみ」の意味・わかりやすい解説

ツミ (雀鷂)
Japanese lesser sparrow hawk
Accipiter gularis

タカタカ科の鳥。アジア東部の中緯度地方で繁殖し,冬は中国南部,マレー諸島フィリピンまで渡るが,南日本で越冬するものもある。日本では平地や低山帯の森林で繁殖し,もっぱら林の中を飛びながら小鳥空中でつかまえる。同属のハイタカよりも小型で,全長は雄が約26cm,雌で約30cm。ハイタカのように雌は雄よりひとまわり大きい。雌雄とも上面は暗灰青色だが,下面は雄が淡赤褐色,雌が白と黒の横縞で,一見別種のように見える。かつては,雌をツミ,雄をエッサイ悦哉)と呼んで区別していた。キッキッキッと鳴く。5~7月に低山帯の森林の高木の枝に小枝を重ねて皿形の巣をつくり,1腹4~5個の卵を産む。雌だけが抱卵し,雛がかえるまでの5週間は雄が獲物を運ぶ。
タカ
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「つみ」の意味・わかりやすい解説

ツミ
Accipiter gularis; Japanese sparrowhawk

タカ目タカ科。全長は雄 26cm,雌 30cm。日本に生息するタカでは最も小さい。背面は青黒色または黒褐色で,腹面は白地に胸には縦,腹には横の褐色の縞がある。シベリア南部から南はモンゴル,東は中国東部,サハリン島,日本にかけて繁殖分布する。繁殖を終えると留鳥として残る鳥も,中国南部から東南アジアに渡って越冬する鳥もいる。日本でも留鳥が全国各地に生息し,平地から山地の森林で繁殖している。都市部の緑地などでも繁殖するところがある。木の上に枯れ枝で巣をつくり,2~5個の卵を産む。おもに小鳥を捕食するが,爬虫類ネズミ昆虫も食べる。(→猛禽類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「つみ」の意味・わかりやすい解説

ツミ
つみ / 雀鷹
Japanese lesser sparrow hawk
[学] Accipiter gularis

鳥綱タカ目タカ科の鳥。南シベリア、中国東北地区、日本列島で繁殖し、高緯度地方で繁殖するものは、冬になると南へ渡る。日本では留鳥または漂鳥である。全長27~30センチメートル、雄は雌より小さく色彩も違うため、エッサイという別の呼称がある。雄の上面は青灰褐色、下面は白くて胸側からわきは橙褐色(とうかっしょく)、雌は上面が灰黒褐色、下面は白く横斑(おうはん)がある。日本全国の低地から低山の林で繁殖し、マツなどの高木の上部に営巣する。速い羽ばたきと短い滑翔(かっしょう)を交互にして、飛び方は速く、おもに小鳥を捕食する。

[高野伸二]

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百科事典マイペディア 「つみ」の意味・わかりやすい解説

ツミ

タカ科の鳥。翼長は18cm。雄は上面が暗青灰色で下面が白,胸は薄い赤褐色。雌は上面が褐色で下面には横斑がある。雌のほうが大きい。オオタカハイタカなどを含むハイタカ類の一種で,アジア東部で繁殖,日本では全国の平地から亜高山の森林で繁殖する。近年,市街地,農耕地での繁殖が増えつつある。小鳥,コウモリ,ネズミなどを食べる。

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世界大百科事典(旧版)内のつみの言及

【鷹狩】より

…鷹野,放鷹(ほうよう)ともいう。猛禽類のタカ(オオタカハイタカツミ),ハヤブサ(ハヤブサ,コチョウゲンボウ),ワシ(イヌワシクマタカ)などを馴養して,これらに常食の鳥獣を捕捉させ,それを遣(つか)い手がとりあげる間接的な狩猟法である。猟犬のように獲物を狩人の手元に持ち帰ることはない。…

【ハイタカ(鷂)】より

…雌だけが抱卵し,33~35日間で孵化(ふか)する。 日本にはハイタカ属の鳥は,ほかにハイタカより大型のオオタカとより小型のツミが分布している。なお,アメリカではsparrow hawkはハイタカではなく,ハヤブサ科のアメリカチョウゲンボウFalco sparveriusを指すことが多い。…

※「つみ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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