タカ目タカ科の鳥。アジア東部の中緯度地方で繁殖し,冬は中国南部,マレー諸島,フィリピンまで渡るが,南日本で越冬するものもある。日本では平地や低山帯の森林で繁殖し,もっぱら林の中を飛びながら小鳥を空中でつかまえる。同属のハイタカよりも小型で,全長は雄が約26cm,雌で約30cm。ハイタカのように雌は雄よりひとまわり大きい。雌雄とも上面は暗灰青色だが,下面は雄が淡赤褐色,雌が白と黒の横縞で,一見別種のように見える。かつては,雌をツミ,雄をエッサイ(悦哉)と呼んで区別していた。キッキッキッと鳴く。5~7月に低山帯の森林の高木の枝に小枝を重ねて皿形の巣をつくり,1腹4~5個の卵を産む。雌だけが抱卵し,雛がかえるまでの5週間は雄が獲物を運ぶ。
→タカ
執筆者:竹下 信雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
鳥綱タカ目タカ科の鳥。南シベリア、中国東北地区、日本列島で繁殖し、高緯度地方で繁殖するものは、冬になると南へ渡る。日本では留鳥または漂鳥である。全長27~30センチメートル、雄は雌より小さく色彩も違うため、エッサイという別の呼称がある。雄の上面は青灰褐色、下面は白くて胸側からわきは橙褐色(とうかっしょく)、雌は上面が灰黒褐色、下面は白く横斑(おうはん)がある。日本全国の低地から低山の林で繁殖し、マツなどの高木の上部に営巣する。速い羽ばたきと短い滑翔(かっしょう)を交互にして、飛び方は速く、おもに小鳥を捕食する。
[高野伸二]
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…鷹野,放鷹(ほうよう)ともいう。猛禽類のタカ(オオタカ,ハイタカ,ツミ),ハヤブサ(ハヤブサ,コチョウゲンボウ),ワシ(イヌワシ,クマタカ)などを馴養して,これらに常食の鳥獣を捕捉させ,それを遣(つか)い手がとりあげる間接的な狩猟法である。猟犬のように獲物を狩人の手元に持ち帰ることはない。…
…雌だけが抱卵し,33~35日間で孵化(ふか)する。 日本にはハイタカ属の鳥は,ほかにハイタカより大型のオオタカとより小型のツミが分布している。なお,アメリカではsparrow hawkはハイタカではなく,ハヤブサ科のアメリカチョウゲンボウFalco sparveriusを指すことが多い。…
※「つみ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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