テトラクロロエチレン(英語表記)tetrachloroethylene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

不燃性溶媒として,また溶剤として用いられる液体。化学式 Cl2C=CCl2沸点 121℃。パークレンと呼ばれるクリーニング溶剤はテトラクロロエチレンを主成分としている。エチレンの塩素化で合成されるテトラクロロエタン,ペンタクロロエタンの熱分解によって得られる。水には溶けないが,多くの有機溶媒とよく混る。ドライクリーニング用溶剤,金属半導体,電子素子,精密機械の脱脂洗浄および乾燥に用いられるが,毒性があり,有害物質となっている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

塩素を含む有機化合物で、常温では揮発性が高い無色透明の液体。引火性が低く、容易にを溶かすため、ドライクリーニングの溶剤のほか、精密機器や部品の加工段階で油の除去に使われてきた。発がん性が指摘され、高濃度で肝臓腎臓への障害、低濃度でも頭痛めまいなどの症状を引き起こすとされる。環境基本法に基づく環境基準は1リットルあたり0・01ミリグラムと定められている。

(2006-09-27 朝日新聞 朝刊 横浜 1地方)

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百科事典マイペディアの解説

化学式はC2Cl4。エチレンの水素原子をすべて塩素で置換した化合物。無色の液体。融点−22℃,沸点121℃。ドライクリーニング,金属の洗浄などに用いられる。ペンタクロロエタンC2HCl5水酸化カルシウムを作用させてつくる。有害物質。

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大辞林 第三版の解説

有機塩素系溶剤の一。化学式 Cl2C=CCl2 無色の液体。不燃性で有毒。類似物質のトリクロロエチレンと同様に用いられ、規制を受ける。 → トリクロロエチレン

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

エチレンCH2=CH2の水素原子を塩素原子で置き換えた化合物。正しくはテトラクロロエテンというが、一般的にテトラクロロエチレンといわれている。エーテルに似たにおいの無色液体。工業的には、ペンタクロロエタンを高温で脱塩化水素するか、1,2-ジクロロエタン(塩化エチレン)を高温でオキシ塩素化し副生するトリクロロエチレンと分けるか、C1~C3炭化水素を高温で塩素化し副生する四塩化炭素(テトラクロロメタン)と分けるかして製造する。水には溶けず、エタノール、エーテルに溶ける。ドライクリーニング溶剤、金属脱脂剤、一般溶媒、エタン系フロン合成原料として用いられているが、有害物質に指定され、厳しい法的規制が実施されているため、徐々に使われなくなっている。不燃性である。皮膚に対しても脱脂作用があり皮膚炎を招く。蒸気は有害である。[谷利陸平]
『日本化学会編『化学防災指針2』(1991・丸善) ▽廃棄物研究財団編、厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室監修『トリクロロエチレン等処理マニュアル』(1993・化学工業日報社)』

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