とうき

普及版 字通 「とうき」の読み・字形・画数・意味

祈】とう(たう)き

いのる。〔後漢書、郎伝〕より春にり、訖(つひ)に嘉澤無し。數(しばしば)西風り、時に反す。心を勞し、廣くを爲す。

字通」の項目を見る


【豆】とうき

豆がら。魏・曹植〔七歩の詩〕豆をるに豆を然(や)く 豆は釜中に在りて泣く 本(もと)是れ同根に生ず 相ひ(に)ること、何ぞ太(はなは)だなる

字通「豆」の項目を見る


麾】とうき

儀仗のはた。

字通「」の項目を見る


輝】とうき

赤く輝く。

字通「」の項目を見る


饋】とうき

あめもち。

字通「」の項目を見る


気】とうき

愚かな心。

字通「」の項目を見る


【凍】とうき

飢えてこごえる。

字通「凍」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「とうき」の意味・わかりやすい解説

トウキ
とうき / 当帰
[学] Angelica acutiloba Kitag.

セリ科(APG分類:セリ科)の多年草。本州中部地方以北の山地に分布する。全体に芳香をもち、主根は太い。茎は高さ60~90センチメートルで分枝し、中実で紫色を帯びる。根生葉と下葉には長い葉柄がある。葉身は三角形で長さ約25センチメートル、2回3出複葉で、小葉は3深裂し、裂片は披針(ひしん)形(ときにはさらに3浅裂する)で、鋭い鋸歯(きょし)をもつ。葉の上面は深緑色で光沢がある。8~9月、枝の先に複散形花序を出し、白色の小花を密につける。花弁は5個、雄しべ5個、雌しべ1個で子房下位。果実は長楕円(ちょうだえん)形で長さ4~5ミリメートル、分果の縁はわずかに翼状をなす。

[長沢元夫 2021年11月17日]

薬用

根を漢方では当帰(とうき)と称して婦人の要薬とする。補血、強壮、鎮痛、鎮静排膿(はいのう)剤として月経不順ヒステリー腹痛、腫(は)れ物、打撲症、不妊症、貧血症などの治療に用いる。処方としては当帰芍薬散(しゃくやくさん)が有名。民間では、葉を浴湯に入れると、血の巡りがよくなり、体が温まるほか、肌もきれいになるとされる。中国の当帰は、前述とは別種A. sinensis (Oliv.) Dielsの根であり、中国中西部に分布し、また栽培もされている。これと区別するために、日本産の当帰は、その植物名をニホントウキと称したほうがよい。日本では奈良県北海道で栽培されているが、とくに奈良県五條(ごじょう)市大深(おおぶか)町では品質のよいものが生産されてきたため、それを大深当帰という。

[長沢元夫 2021年11月17日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「とうき」の意味・わかりやすい解説

トウキ (当帰)
Angelica acutiloba (Sieb.et Zucc.) Kitagawa

山の岩地に生え,薬用植物として栽培もされるセリ科の多年草。精油を含み,特有の芳香がある。茎は分枝して高さ40~90cm,毛がなく,基部は多くが紫褐色を帯びる。葉は1~3回3出羽状複葉で,終羽片は細長い披針形で先が鋭くとがり,表面は光沢がある。茎や葉を切ると強い香りがする。夏に枝先に複散形花序を作って,小さい5弁の白い花を多数つける。果実は楕円形,広い翼のある2個の分果に分かれる。変異が多く,本州中部以北や北海道の山に自生するものはミヤマトウキ,一名イワテトウキと呼ばれる。根を湯通しして乾かしたものを生薬では当帰と呼ぶ。精油を含み,中性油成分はフタライド類,リグスティライドligustilide,クマリン類,ステロイド,葉酸,ビタミンB12などを含む。強壮,鎮痛,婦人病などの漢方薬として多量に使用される。中国や朝鮮半島の当帰は別の種類のニオイウドA.uchiyama YabeやA.sinensis (Oliv.) Dielsで,これから区別するためにニホントウキと呼ばれることがあるし,中国では日本のトウキを東当帰と呼ぶ。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「とうき」の意味・わかりやすい解説

トウキ

セリ科の多年草。本州中北部の山地に自生し,また各地に栽培される。高さ40〜80cm。葉は2〜3回羽状複葉で表面は光沢がある。茎や葉には特有の芳香がある。8〜9月,複散形花序を出し,多数の白色小花を開く。薬用植物として栽培もされ,根を湯通しして乾燥したものを当帰(とうき)といい,鎮静・通経剤とする。北海道,東北地方には変種のミヤマトウキ(イワテトウキ)が分布する。
→関連項目薬用植物

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「とうき」の意味・わかりやすい解説

トウキ
Angelica actiloba

セリ科の多年草。ニホントウキともいわれる。本州中・北部の山地の岩場に生えるが,薬用植物として栽培もされている。全草が芳香を放つ。地下に太い根茎があり,高さ 50~70cmの太い中実の茎を伸ばす。互生する葉は1~2回3出する複葉で,各小葉はさらに3つに裂ける。葉柄の基部は鞘となって茎を抱く。花は大型の散形花序で多数の小白花をつける。近縁種のミヤマトウキ A. iwatensisと比べて,葉がやや深く分裂し,油管の数が少い点で区別される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「とうき」の解説

トウキ

セリ科の多年草。根は鎮静、強壮などの作用があり生薬として使用される。表記は「当帰」とも。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android