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トラブゾン Trabzon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トラブゾン
Trabzon

トルコ北東部の港湾都市で,同名県の県都。黒海にのぞみ,南は 2000~3000m級のポンティク山脈によってアナトリア高原からへだてられている。前7世紀頃ギリシア人によってトラペズス Trapezousとして創建された。オリエントにおけるギリシア文化の一大中心地として栄え,またペルシアや中央アジアへの貿易路の起点として知られた。市街の西部,海を見おろして建つハギアソフィア聖堂は,バシリカ様式のドームをもち,13世紀の壁画は華麗である。この地方は黒海からの湿気が山脈に当って降雨となるので,林産資源に豊み,タバコ,果物,ヘーゼルナッツなど農産物も多い。 1963年に設立された黒海工科大学がある。アンカラとは空路で結ばれる。人口 14万 3941 (1990) 。

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デジタル大辞泉の解説

トラブゾン(Trabzon)

トルコ北東部、黒海沿岸の港湾都市。紀元前7世紀に古代ギリシャが建設した交易都市トラペズスに起源し、古代ローマ時代に発展。13世紀初頭、十字軍によるコンスタンチノープル陥落後、東ローマ帝国の皇族が亡命して建てたトレビゾンド王国の首都となり、トレビゾンドと呼ばれた。15世紀半ばよりオスマン帝国領。アヤソフィアスメラ修道院をはじめとするビザンチン式のキリスト教建築が多数残っている。

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百科事典マイペディアの解説

トラブゾン

トルコ北東部,黒海に面した都市。古名はトレビゾンド,トラベズス。農業と林業が盛んで,タバコ,ヘーゼルナッツなどを産する。商港であるサムスンとともにこの地方最古の都市で,前7世紀ころギリシア人植民市として創設。

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世界大百科事典 第2版の解説

トラブゾン【Trabzon】

トルコ北東部,黒海に面する港市。同名県の県都。人口14万5000(1994)。別名トレビゾンドTrebizond,古名トラペズスTrapezous。前7~前6世紀に建設され,古くからイラン,中央アジア方面への通商路の起点として繁栄してきた。第4回十字軍のコンスタンティノープル占領の際,ここを逃れたコムネノス家が1204年トレビゾンド帝国を樹立し,その首都となってから1461年にオスマン帝国に併合されるまで,アナトリアにおけるギリシア文化の中心地であった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トラブゾン
とらぶぞん
Trabzon

トルコ、小アジア半島北東部にあって黒海に臨む港湾都市。トラブゾン県の県都。人口21万4949(2000)。海陸交通の要衝で、空港も所在し、トウモロコシ、ヘーゼルナッツ、タバコ、茶、魚類などを集散する。紀元前7世紀にシノペ(現シノプ)のギリシア人の植民市として起源し、古くはトラペズスTrapezusとよばれた。前400年、『アナバシス』の著者クセノフォンがギリシア傭兵(ようへい)隊の仲間とともにメソポタミアから敗走し、たどり着いた町として著名である。ポントス王国やローマ、ビザンティン帝国領を経てのち、1204年には、十字軍のコンスタンティノープル占領の際、この地に逃れた皇子アレクシオス・コムネノスによって始められたトレビゾンド王国の拠点となった。1461年にオスマン帝国領となり、皇帝スレイマン1世(立法者、壮麗者)はこの地で生まれた。城砦(じょうさい)、アヤ・ソフィア寺院、イェニ・ジュマ・モスクなどの史跡やカラデニス(黒海)大学がある。南30キロメートルの山中にも5世紀に建てられたスメラ僧院の遺跡がある。[末尾至行]

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世界大百科事典内のトラブゾンの言及

【トレビゾンド帝国】より

…第4回十字軍のコンスタンティノープル占領(1204)の際,ポントスの黒海沿岸ギリシア都市トレビゾンドTrebizond(別名トラブゾン,古名トラペズスTrapezus)に落ち延びたビザンティン貴族アレクシオス・大コムネノスが,ゲオルギア女王タマルの支援で建てた国家(1204‐1461)。公式の支配者称号は,〈全アナトリア,イベリア(カフカス南)人,ならびに海のかなたの地(クリミアを指す)の皇帝basileus kai autokrator〉。…

※「トラブゾン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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