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トリウム thorium

翻訳|thorium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トリウム
thorium

元素記号 Th原子番号 90,原子量 232.0381。周期表3族のアクチノイド元素で,天然には質量数 232 (半減期 1.4×1010 年,存在比 100%,α壊変) の核種が存在するが,その中には壊変生成物トリウム 228が極微量含まれている。なお,ウラン 238,ウラン 235を親とするトリウムの同位体4種もウラン鉱物中に微量存在する。 1828年 J.ベルセーリウスによって発見された。 98年 M.キュリーと G.シュミットは独立にトリウムが天然放射性元素であることを見出した。モナズ石が主要資源鉱物である。地殻存在量 9.6ppm,海水中の存在量 0.05 μg/l 。単体は灰白色の光沢ある金属で展延性がある。比重 11.5,融点 1815℃。核燃料物質として重要である。

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百科事典マイペディアの解説

トリウム

元素記号はTh。原子番号90,原子量232.0377。融点約1750℃,沸点4789℃。アクチニド元素の一つ。1828年ベルセリウスによって発見され,放射能のあることが1898年にG.シュミットとM.キュリーによって同時に発見された。
→関連項目イオニウムシーボーグ転換炉ラジオアクチニウムラジオトリウム

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世界大百科事典 第2版の解説

トリウム【thorium】

周期表元素記号=Th 原子番号=90原子量=232.0381地殻中の存在度=9.6ppm(37位)安定核種存在比 232Th=100%融点=約1800℃ 沸点=約3000℃比重=11.5電子配置=[Rn]6d27s2 おもな酸化数=IV周期表第IIIA族に属するアクチノイド元素の一つ。天然に存在する最も主要な放射性元素の一つである。1828年スウェーデンのJ.J.ベルセリウスがノルウェー産の鉱物中から発見し,オーディンと並んでよく知られる北欧神話の雷神トールThórrにちなんで命名した。

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大辞林 第三版の解説

トリウム【thorium】

アクチノイドの一。元素記号 Th  原子番号90。原子量232.0。天然に存在するのはほとんどすべて質量数二三二のもので、他にも短寿命の核種がある。すべて放射性。銀白色の金属。粉末は灰色。中性子照射によって核燃料ウラン二三三に変化する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トリウム
とりうむ
thorium

アクチノイドに属する元素で、ウランとともに天然に存在する主要な放射性元素の一つ。原子番号90、元素記号Th。

歴史

その発見は比較的早く、1828年スウェーデンのベルツェリウスがノルウェー産鉱石中の新元素をスカンジナビア神話の雷神トールThorにちなんで命名した。1898年に至り、ドイツのシュミットG. C. N. Schmidt(1865―1949)とフランスのM・キュリー(ポーランド生まれ)が独立に放射性元素であることをみいだした。[岩本振武]

存在と製法

地殻岩石圏に広く分布し、主要鉱物にはトリアン石ThO2、トール石Th(SiO4)があるが、工業資源としてはモナズ石(主成分CePO4)が重要である。原鉱には他の元素が多く含まれているため、粉砕後、濃硫酸溶解、リン酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩などとしての分別沈殿を重ね、溶媒抽出法で精製し、電解法あるいは還元法で金属トリウムを得る。[岩本振武]

性質と用途

銀白色のもろい金属で、フッ化水素酸以外の希酸に溶けにくいが、塩酸、王水に溶ける。硝酸には不動態(不働態)となって溶けない。金属粉末は燃えやすい。高温ではハロゲン、窒素、水素と直接反応する。
 天然には質量数223から234までの同位体が存在するが、232のものが事実上100%の存在比を示し、トリウムの原子量はこの同位体の質量によって定められている。トリウム232はトリウム系列の出発核種であり、中性子照射によって原子炉燃料となるウラン233を製造する原料となる。
 ウラン・ラジウム系列中で生ずるトリウム234はウランX1、同230はイオニウム、アクチニウム系列中の同231はウランY、同227はラジオアクチニウムとよばれることもある。
 加熱によって熱電子を放出しやすいので、光電管、放電管、熱陰極材料となるほか、合金材料にも使われる。化合物は酸化数+となるのが普通である。[岩本振武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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