なんと(読み)ナント(その他表記)Nantes

翻訳|Nantes

デジタル大辞泉 「なんと」の意味・読み・例文・類語

なんと[副助]

[副助]副助詞「など」に格助詞「と」が付いた「などと」の音変化》引用文を受けて、おおよそのところを示す。
「『あたいが馬になってやろう』―いうこともあったが」〈中勘助銀の匙

ナント(Nantes)

フランス西部、ロアール川下流にある河港都市。食品機械化学などの工業発達

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共同通信ニュース用語解説 「なんと」の解説

ナント

古代から水運の拠点として栄え、地域の政治的中心となった。1562年に起きた新旧キリスト教徒の内戦「ユグノー戦争」をめぐり、国王アンリ4世が98年、新教徒側の権利を認める「ナントの勅令」を発し終戦に導いた。17~18世紀には奴隷貿易で栄え、19世紀以降は造船、機械、製菓などの工場が進出し工業都市となった。現在は近隣の約20市町村と協定を結び、ナント都市圏を形成。小説「海底二万里」などの作家ジュール・ベルヌの生誕地でもある。(ナント共同)

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精選版 日本国語大辞典 「なんと」の意味・読み・例文・類語

なん‐と

  1. 〘 副詞助 〙 ( 副助詞「など」に「と」が付いて変化した語 ) 引用文を受けて、おおよそのところを示す。
    1. [初出の実例]「『僕さっきどうしようかと思っちゃった』なんと本音をはきながら」(出典:銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉後)

ナント

  1. ( Nantes ) フランス西部、ロアール川の下流にある商工業都市。ローマ時代からの港湾都市で、ルイ一五世のころに、西アフリカ新大陸を結ぶ三角貿易で栄えた。一三世紀にブルターニュ公爵領の首都となり、一五二四年フランスに合併。一五九八年の「ナントの勅令」の発布地。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「なんと」の意味・わかりやすい解説

ナント
なんと
Nantes

フランス西部、ロアール・アトランティク県の県都。人口27万0251(1999)、30万3382(2015センサス)。パリの南西383キロメートル、ロアール川とその支流エルドル川との合流点に位置する。西フランス最大の都市で、南ブルターニュ、ロアール川下流域の交通・経済の中心地。河口から50キロメートルの距離にあり、外洋船の航行も可能。18世紀には西インド諸島およびアフリカとの砂糖や黒人奴隷の交易による三角貿易で栄えた。しかし、内陸に位置するため、19世紀以降は貿易量が伸び悩んだ。植民地時代から食品工業、とくに精糖、菓子製造が発展し、現在、火力発電所があることから、機械、電機、化学など工業業種は多彩である。司教座、大学所在地。

[高橋伸夫]

歴史

古代ローマ人の進出を受け、のちにノルマン人の侵攻を被った。中世に入ってブルターニュ公の居住地となったが、アンヌ・ド・ブルターニュAnne de Bretagne(1477―1514)がフランス国王シャルル8世と結婚し、ついでルイ12世の王妃となったことにより、最終的には1524年フランス王領地に併合された。ルイ14世幼少時代の大蔵卿(きょう)ニコラ・フーケが涜職(とくしょく)の罪で逮捕されたのもナントであったが、とりわけナントの名を有名にしたのは、1598年アンリ4世が当地でカトリックプロテスタント平和共存を打ち出した寛容王令(ナントの王令)である。フランス革命時代はジロンド派の牙城(がじょう)として世に知られている。

[志垣嘉夫]

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改訂新版 世界大百科事典 「なんと」の意味・わかりやすい解説

ナント
Nantes

フランス西部,ロアール・アトランティク県の県都。人口27万0474(1999)。ロアール河口のサン・ナゼール港の上流47kmにある。ブルトン語ではナオネド。その名はガリア人のナムネテス族の居住地であったことに由来する。939年にブルターニュ公国の主都。1598年アンリ4世がナントの王令を発した地として知られる。16~18世紀にはギニアで買った黒人奴隷をアンティル諸島に運んでサトウキビと換え,ナントで製糖するという三角貿易によって,フランス第1の港となった。大革命では王党派にくみし,革命派が王党派を大量に溺死刑に処した。19世紀に外港としてサン・ナゼールを開き,運河で結んだことにより,喫水8.25mの船舶まで入港可能になると共に,川中島のボーリューを中心に重化学工業が発展した。公の居城や大聖堂など15世紀以来の歴史的建造物や,18~19世紀そのままの旧街区と共に,第2次大戦後にル・コルビュジエが設計した南岸の近代的街区も有名である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「なんと」の意味・わかりやすい解説

ナント
Nantes

フランス西部,ロアールアトランティク県の県都。ロアール川下流,エルドル川 (ナント=ブレスト運河に続く) およびセーブルナンテーズ川との合流点にのぞむ河港・商工業都市。ローマの属州時代から商業,行政の一中心として栄えた。ブルターニュ公領時代にはその首都。 14世紀には亜麻布,塩などの輸出港となり,16世紀にはイングランド,スペイン,バルト海沿岸諸港とも交易。 18世紀には,アフリカ,アメリカ大陸との奴隷を仲介とした三角貿易の基地ともなり,フランスの貿易の中心となった。現在は,機械類,小麦粉などを輸出し,石炭,石油,鉄鉱などを輸入する。商業中心地でもあり,家畜,穀類,野菜,ワインを集散。工業も特に盛んで,18世紀からの伝統をもつ食品加工 (チョコレート,ビスケットなど) をはじめ,造船,金属,機械,化学などの諸工業が立地。ブルターニュ公の城 (15世紀) ,聖ピエール大聖堂 (15世紀) ,考古学博物館,美術館,大学がある。ロアール河口のサンナゼールとナント・サンナゼール都市圏計画が進行中。ナントの勅令 (1598) の発布地。作家ジュール=ベルヌの生地。人口 28万3288(2008)。

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百科事典マイペディア 「なんと」の意味・わかりやすい解説

ナント

フランス西部,ロアール・アトランティク県の県都。ロアール川河口から約50km。外港のサン・ナゼールから外洋船の航行も可能で,フランス有数の貿易港。造船,機械,化学,航空機,皮革,食品などの工業が行われる。15世紀のサン・ピエール大聖堂,ブルターニュ公の城,大学(1422年創立)がある。起源はガリア時代で,中世にはブルターニュ公領。28万2853人(2006)。→ナントの王令
→関連項目ブルターニュ

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