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ハンノキ

百科事典マイペディアの解説

ハンノキ

ハリノキとも。カバノキ科の落葉高木。日本全土,東アジアの湿気のある山野にはえる。葉は長楕円状卵形で先はとがり,裏面には綿毛がはえ,縁には鋸歯(きょし)がある。2〜3月,枝先に暗紫褐色の雄花が多数尾状にたれ下がり,雌花は枝の下部につく。

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世界大百科事典 第2版の解説

ハンノキ【Alnus japonica (Thunb.) Steud.】

湿った土地に生えるカバノキ科の落葉高木(イラスト)。田のあぜなどに植え,これを稲木とする地方も多い。幹は直立し,15mにも達し,樹皮は細かく割れる。葉は卵状長楕円形で,低い鋸歯があり,基部はくさび形で,長さ1~3cmの葉柄がある。冬芽は柄があり,卵形で,最初の葉の葉身と托葉とに包まれている。雄花序は夏に枝の先端に形成される。苞と小苞の内に3花があり,4裂する花被に包まれた4本のめしべからなる。雄花序は冬に伸長し,下垂して開花し,花粉を散らす。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハンノキ
はんのき / 榛木
alder
[学]Alnus japonica (Thunb.) Steud.

カバノキ科の落葉高木。ハリノキ、ヤチハンノキともいう。高さ20メートルに達する。樹皮は灰色、老木では縦に割れる。葉は互生し、長楕円(ちょうだえん)形で長さ6~13センチメートル、縁(へり)に浅く切れ込む鋸歯(きょし)がある。雌雄同株。秋に球果状の花穂を直立し、早春に開花する。堅果は小さく扁平(へんぺい)で、狭い翼がある。湿地や川原などに生え、ときに純林をつくる。北海道から九州に分布する。水田地帯で稲掛け用に列植されることがある。材は器具、箱、鉛筆などに用い、樹皮からはタンニンをとり、染料とする。
 ハンノキ属は北半球の温帯を中心に約30種分布し、日本には11種が知られる。雌雄同株で、雄花序は前年の秋から枝上に現れる。二つの亜属に分けられ、ハンノキ亜属にはハンノキのほかにヤマハンノキ、カワラハンノキ、ミヤマカワラハンノキ、ヤハズハンノキなどがあり、雌花序は前年の秋に現れ、早春、葉に先だって開花する。冬芽に柄があり、夏季に多くの葉が緑色のまま落ちる。ミヤマハンノキ亜属は小高木または低木で、ミヤマハンノキ、ヤシャブシ、ヒメヤシャブシ、オオバヤシャブシが属する。雌花序は冬芽に包まれて越冬し、冬芽に柄はなく、芽鱗(がりん)がある。堅果は翼が発達する。両亜属ともに陽樹で、湿地、川原、山地の谷沿いの斜面、岩礫(がんれき)地などに生え、ときに純林をつくる。根に根粒がつき、やせた土地によく育つので、砂防用に植えられる。[菊沢喜八郎]

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