ハートリー(英語表記)Hartley, David

化学辞典 第2版 「ハートリー」の解説

ハートリー
ハートリー
hartree

エネルギー原子単位.D.R. Hartreeにちなんで名づけられた.記号 H.

H = 4.35975 × 10-18 J.
ボーア半径

a0( = 4π ε02/(mee 2))
を使って,

と表される.水素原子イオン化エネルギーRH とは次の関係にある.

ここで,mp陽子質量である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハートリー」の意味・わかりやすい解説

ハートリー
Hartley, David

[生]1705.8.20. ヨークシャー,アームリー
[没]1757.8.28. イングランド,バス
イギリスの医師,心理学者。ケンブリッジ大学ジーザス学寮の特別校友,のちニューアーク,ロンドンなどで開業。心理現象を生理学的に大脳過程として説明しようとし,神経振動仮定によって連想心理学を創設した。唯物論的思想家ともいえるが,霊魂の不滅を否定していない。彼の思想は J.S.ミルが取上げるまで閑却されていたが,それ以後は H.スペンサー,A.ベイン,G.H.ルイスなどに多大の影響を与えた。主著人間考察』 Observations on Man,His Frame,His Duty,and His Expectations (2巻,1749) ,『人間精神の理論』 Theory of the Human Mind (75) など。

ハートリー
Hartree, Douglas Rayner

[生]1897.3.27. ケンブリッジ
[没]1958.12.12. ケンブリッジ
イギリスの理論物理学者。ケンブリッジ大学で学び,1926年学位取得。マンチェスター大学初期応用物理学を,のちには理論物理学を講じた (1929~46) 。 46年からはケンブリッジ大学数理物理学教授。多電子原子の波動関数を計算するにあたってのハートリー近似を案出したことで知られる。第2次世界大戦中は弾道学,流体力学の数値解析を研究し,大戦後はいちはやく電子計算機の重要性に気づき,ケンブリッジ大学に計算機を導入し,その研究開発に尽力した。

ハートリー
Hartley, Leslie Poles

[生]1895.12.30. ピーターバラ
[没]1972.12.13. ロンドン
イギリスの小説家。性格の違う姉弟の成長を描いた3部作『えびといそぎんちゃく』 The Shrimp and the Anemone (1944) ,『第六天国』 The Sixth Heaven (46) ,『ユーステスとヒルダ』 Eustace and Hilda (47) で知られる。『媒介者』 The Go-Between (53) でハイネマン財団賞を受けた。

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百科事典マイペディア 「ハートリー」の意味・わかりやすい解説

ハートリー

英国の心理学者,医師。主著《人間の観察》(1749年)で心理現象を振動の仮説で生理学的に説明,連想心理学の先駆とされる。
→関連項目観念連合

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