バトラー(Josephine Butler)(読み)ばとらー(英語表記)Josephine Elizabeth Butler

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

バトラー(Josephine Butler)
ばとらー
Josephine Elizabeth Butler
(1828―1906)

イギリスの社会運動家。農業改革や奴隷制反対で活動したジョン・グレイJohn Grey(1785―1868)の娘。教師と結婚したが、5歳の娘の死を契機に社会運動に向かって、困窮者、病気の売春婦救護のために働いた。売春婦の検診と治療のために1864年につくられた性病法(以後、数度にわたり改定)が、女性の人権を侵害するとして、性病法廃止運動に献身し、労働者階級の支持を得て1886年その廃止に成功。また、フランス、イタリアスイスを訪れ、ベルギーでは少女売春の実態を明らかにし、白人売春婦貿易禁止に貢献した。

[白井尭子]

『藤目ゆき著『性の歴史学 公娼制度・堕胎罪体制から売春防止法・優生保護法体制』普及版(1997・不二出版)』『An Autobiographical Memoir(1913, J.W. Arrowsmith, Bristol)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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