翻訳|berkelium
アクチノイドに属する放射性元素の一つ。原子番号97、元素記号Bk。1949年アメリカのカリフォルニア大学バークリー校の研究グループにより、35メガ電子ボルトのヘリウムイオンをミリグラム量のアメリシウム241に衝撃させ、バークリウム243が人工合成された。その後多くの同位体が得られたが、概して半減期は短い。バークリウム247の1380年は例外的に長く、248の9年、249の320日が比較的長い。酸化数+Ⅲと+Ⅳの酸化物、水酸化物、ハロゲン化物などが知られており、結晶構造が解析されたものもある。対応するランタノイド元素テルビウムの名が発見された地名に由来するところから、研究所の所在地バークリー市にちなんで命名された。
[岩本振武]
周期表第ⅢA族に属するアクチノイド元素の一つ。1949年アメリカのカリフォルニア大学において,トンプソンS.G.Thompson(1912- ),ギオーソA.Ghiorso(1915- ),シーボーグG.T.Seaborg(1912- )によって発見された。すなわちミリグラム量の241Amにサイクロトロンで加速した35MeVのヘリウムイオンを衝撃させて質量数243の同位体をつくった。この97番元素のバークリウムは,周期表上ではこれと対応する位置にある65番元素のテルビウムTbの命名と同じ方式で,研究の行われたカリフォルニア大学の分校の所在地バークリーにちなんで命名された。人工放射性元素で,質量数243から250までの同位体が知られ,長寿命のものは原子炉内の多段階中性子捕獲によってつくられる。249Bkの半減期は0.88年。原子半径1.704Å,Bk3⁺のイオン半径0.955Å。3価が普通であり,そのほか4価化合物が知られている。たとえばCs2BkCl6はオレンジ色。Bk4⁺はCe4⁺よりいくぶん弱い酸化剤である。
執筆者:中原 勝儼
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Bk.原子番号97の元素.電子配置[Rn]5f 97s2の周期表3族アクチノイド元素.5番目に発見された超ウラン元素.この元素が合成されたカリフォルニア大学バークレー校にちなんで命名された.1949年12月,G.T. Seaborg(シーボーグ),A. Ghiorsoらによって,カリフォルニア大学バークレー校の60 inサイクロトロンで加速した 4He 原子核(α粒子)による mg 量の 241Am の衝撃で得られた.249Bk は 248Cm の中性子吸収(原子炉中)によって得られる.銀白色の金属.融点1259.2 ℃.第一イオン化エネルギー608 kJ mol-1(6.30 eV).通常の酸化数2~4.μg 量以上のBkCl3,BkOCl,BkO2,BkO3などがつくられた.現在,知られている同位体核種は,235~254の範囲に17種.質量数247のα崩壊核種がもっとも長寿命で半減期1380 y.[CAS 7440-40-6]
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