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パドマサンババ Padmasaṁbhava

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パドマサンババ
Padmasaṁbhava

インドの僧。チベットに仏教教団が設立されたときに協力したスワット出身のタントリスト。チベット名ペマチュンネ。ティソンデツェン王がシャーンタラクシタの忠告により国内ポン教徒の抵抗を除くため,呪術師として招いた (773) が,タントラ仏教の普及を望まなかったので長くとどまらせなかったらしい。後代ではニンマ派の教祖とされる。

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百科事典マイペディアの解説

パドマサンババ

8世紀ころにチベットへ仏教を伝えたインド人学僧。生没年不詳。漢訳名は蓮華生。ラマ教のニンマ派の始祖とされる。775年サムイェー寺の建立に関与したとされ,密教を布教した。
→関連項目バルド・トエ・ドル密教

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世界大百科事典 第2版の解説

パドマサンババ【Padmasaṃbhava】

8世紀ころのインド密教の行者。生没年不詳。インドのタントラ仏教を初めてチベットにもたらした人物として象徴的存在。その系統に連なるチベット仏教ニンマ(古)派には,彼に関して多くの伝説が伝えられているが,確実なことはほとんど知られていない。ただ今日の研究により,シャーンタラクシタの第2回入蔵に際しチベットに入り,奇跡を示してボン教徒を仏教に改宗させ,775年のサムイェー寺の定礎に立ち会い,その後チベットを去ったとされている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パドマサンババ
ぱどまさんばば
Padmasabhava

生没年不詳。8世紀にチベット入りしたインド密教の高僧。ペマジュンネエPadma byu gnas(蓮華生(れんげしょう))、グル・リンポチェGuru rin po che(師なる宝)、また西北インドの出身地名からオギェン・グルO rgyan guruの尊称で知られる。チベット王チソンデツェンに招かれ、サムエ大寺院建立に際して土地の悪霊・悪鬼を退治して地鎮を行い、ほかに数々の神変奇跡を現じてチベット古派密教の最上の祖師として尊敬された。一般庶民の渇仰の中心となった点で、日本の弘法大師(こうぼうだいし)信仰に類似している。彼に関して、『ペマ・カータン』Padma bka thaをはじめ多くの奇瑞(きずい)・霊験談が語られているが史実とはいえない。[川崎信定]
『金子英一著『パドマサンバヴァ伝とサムイエー寺』(山口瑞鳳監修『チベットの仏教と社会』所収・1986・春秋社) ▽W. Y. Evans-Wentz The Tibetan Book of the Great Liberation (1954, London)』

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世界大百科事典内のパドマサンババの言及

【バルド・トエ・ドル】より

…正式の題名は《“安寧神と忿怒神を観想することにより自己を解脱させる深遠なる宗教書”の中より,中有(ちゆうう)(バルド)の状態での聴聞(トエ)による大解脱(ドル)》。チベット仏教の祖聖パドマサンババ(蓮華生)によって著され,セルデン河畔のガンポダル山に秘匿された埋蔵経(テルマ)の一つで,その後パドマサンババの第5の転生者である超能力の霊感の具有者リクジン・カルマリンパ(14世紀?)によって感得・発掘されたとされる。 本書は,チベットで死に赴く病人・死者に対してその枕辺で僧の読誦する,日本の〈枕経(まくらぎよう)〉に相当する性格を有し,かつその後7週間にわたって亡魂供養のため唱えられるお斎(とき)の経としても用いられる。…

【密教美術】より

… 密教のアジア諸国への伝播にはいくつかの道があった。密教成立後100年ほど後の747年,パドマサンババ(蓮華生(れんげしよう))がチベットに入り,土着のボン教と融合してラマ教を開いた。その後ラマ教はモンゴルに入り,元朝がこれを採用して中国,朝鮮にまで伝播した。…

【ラマ教音楽】より

…儀礼音楽は,ラマ僧による読経と賛歌がユニゾンでの単旋律の朗唱と器楽伴奏によって奏される。パドマサンババを開祖とするニンマ派,あるいはカダム派,サキャ派,カギュ派など古派の儀礼音楽と,ツォンカパ以来のゲルク派の儀礼音楽とは大きな変化はない。ラマ教の分布するチベット高原,ブータン,シッキム,ネパールなどの地域的変化はわずかだが,インド北部のラダック各地の儀礼音楽は若干の変化がみられる。…

※「パドマサンババ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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