ヒ(砒)素(読み)ひそ

百科事典マイペディアの解説

ヒ(砒)素【ひそ】

元素記号はAs。原子番号33,原子量74.921595。融点817℃(36気圧)。窒素族元素の一つ。きわめて古くから知られ,錬金術師は医薬として使用。灰色ヒ素(金属ヒ素),黄色ヒ素,黒色ヒ素の3種の同素体がある。灰色ヒ素はいくぶん金属光沢ある灰色固体で,常温,空気中で安定。硬度3〜4,金属に似て熱の良導体,昇華温度603℃。二硫化炭素に不溶。ヒ素蒸気を急冷すると黄色ヒ素が得られ,これは透明で蝋のようにやわらかい結晶。300℃以下で蒸着するとガラス質の黒色ヒ素を生じる。電気を導かず,二硫化炭素に溶け,ニンニク臭がある。熱するか光を照射すると灰色ヒ素に変わりやすい。いずれも化学的性質はリンに似るが,より金属的。水,希酸には不溶。濃硝酸,濃硫酸などには溶け,ヒ酸,亜ヒ酸などとなる。主要鉱石は硫ヒ鉄鉱,雄黄,鶏冠石などの硫化鉱物。まれに遊離状態で産することもある。銅,鉛などの製錬の副産物として得られる。合金元素あるいはIII‐V化合物半導体の成分元素として重要。化合物は農薬,殺虫剤などとして使用。ヒ素化合物は一般に強い毒性をもつ。→ヒ素中毒
→関連項目海洋投棄規制条約環境基準

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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