ピール(Georges Charles Clement Ghislain Pire)(読み)ぴーる(英語表記)Georges Charles Clement Ghislain Pire

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ピール(Georges Charles Clement Ghislain Pire)
ぴーる
Georges Charles Clement Ghislain Pire
(1910―1969)

ベルギー司祭、人道主義者。ディナンに生まれる。18歳のとき、ユイのラ・サルト・ドミニコ修道院に入る。ローマのアンジェリコ・カレジオで学び、1934年聖職を授かり、1936年神学博士となる。ユイの修道院に戻り、社会学と倫理学を教えた。1938年から家族友愛事業と子供青空教室を始めたが、第二次世界大戦が始まり、ベルギーがドイツ軍の侵攻を受けると、従軍司祭としてレジスタンスに参加した。大戦後は「難民救済」という名の機関を設立、さらに難民が安心して生活するために七つの「ヨーロッパ村」をつくった。これらはヨーロッパ各国に広まり、国際的慈善団体に発展した。1958年に長年の難民救済活動が認められ、ノーベル平和賞を受賞した。受賞後も活動を積極的に展開し、1959年に国際的友愛組織「世界に開く心」を、1960年にユイで平和大学を、1962年東パキスタン(現バングラデシュ)と1969年インドに国際協力によるコミュニティ「平和の島」を設立した。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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