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フーガ fuga

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フーガ
fuga

楽曲の一形式。イタリア語で「遁走」の意。1つの主題に基づく2つあるいはそれ以上の声部から成る対位法的作品で,拡大,縮小,ストレッタ,転回,逆行などの複雑な技巧が用いられる。主題が2つ以上の場合もあり,これらはその数に従って二重フーガ,三重フーガと呼ばれる。典型的なフーガは普通3部分から成る。3声部フーガでは第1声部が単独で主題を示し,その後すぐ第2声部がそれを5度上,または4度下で応答する。第3声部で再び主題が主調で現れ,すべての声部が主題を提示し終って第1の提示部が終る。第2部は転調部で,主題が調子を変えて登場し,終結部では再び主調で主題が歌われ曲が終る。フーガの起源は 15世紀後半のポリフォニーの声楽曲に模倣風の導入がみられるが,独立した形式としては 17世紀に始り,模倣対位法の最高の形式として,J.S.バッハの『平均律クラビア曲集』や『フーガの技法』,ヘンデルの『メサイア』などで頂点に達した。その後一時衰退したが 20世紀に入って再評価され,ショスタコビッチの『24の前奏曲とフーガ』,ヒンデミットの『画家マティス』,ストラビンスキーの『詩篇交響曲』などが書かれた。

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デジタル大辞泉の解説

フーガ(〈イタリア〉fuga)

楽曲形式の一。一つ、あるいは複数の主題が次々と複雑に模倣・反復されていく対位法的楽曲。遁走曲(とんそうきょく)。

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百科事典マイペディアの解説

フーガ

西洋音楽の作曲書法および形式の一つ。かつては〈遁走(とんそう)曲〉などと訳された。声部間の模倣の技法を中心とした,2声部以上の対位法による器楽で,リチェルカーレなどから発達。
→関連項目カプリッチョ前奏曲

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デジタル大辞泉プラスの解説

フーガ

日産自動車が2004年から製造、販売している乗用車。4ドアセダン。グロリアセドリックの後継車として開発された同社の上級車種の一つ。ハイブリッドエンジンを搭載したモデルもある。

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世界大百科事典 第2版の解説

フーガ【fuga】

模倣対位法(対位法)による音楽書法および形式。〈逃げる〉を意味するラテン語fugereに由来し,〈遁走曲〉などと訳すこともある。歴史的にその概念や技法は一様ではないが,17~18世紀の器楽曲の最も主要な形式の一つに数えられる。 フーガは主題に対して5度および4度関係をとって模倣的に応答する書法をとり,主題に対して正確に5度および4度関係をとって模倣するものを〈真正応答〉,調的関係を維持するために,その音の一部を変えたものを〈守調的応答〉という。

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大辞林 第三版の解説

フーガ【fuga】

主題とその模倣(応答)が交互に現れる、対位法による多声音楽の形式。遁走曲。追復曲。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フーガ
ふーが
fugaイタリア語
fugue 英語 フランス語
Fugeドイツ語

「遁走曲(とんそうきょく)」と訳されることもある。原義は「逃走」で、音楽用語としては、古くは厳格なカノンを意味したが、17世紀以来、模倣対位法によるもっとも完成された音楽形式または書法をさすようになった。[寺本まり子]

フーガの構造

フーガは歴史的に変化し、きわめて多様であるが、すべてのフーガには次のような共通した特徴がみられる。すなわち、主題と一定数の声部(多くは三声または四声)によるその模倣を基礎にした対位法様式で書かれており、全体は主題提示部と間奏部との交代からなる。この主題提示部の数は一定ではないが、典型的にはおおむね三部分である。ここでは、主題がまず一声部に提示され、他の諸声部はそれを順に模倣していく。この場合、主題の通例五度上(四度下)の模倣、すなわち主題の「応答」と、主題の原形とが交互に現れる。そして主題の提示を終えた声部は、次の声部が応答を行うとき、引き続き「対位句」(「対位旋律」)を奏する。すべての声部が主題の提示を終えると間奏部に入るが、ここでは主題部分などに由来する短い動機が比較的自由な対位法で編まれている。なお、このほかにも、主題の音価の拡大や縮小、主題の転回、ストレッタ(応答が主題の完結以前に入ること)などの手法がしばしば用いられる。また、このような単主題のフーガに対して複主題のフーガもあり、主題の数に従って二重フーガ、三重フーガなどとよばれる。[寺本まり子]

フーガの歴史

それはイタリアにおけるリチェルカーレやカンツォーナなどの、模倣的対位法による器楽形式の成立から始まる。アンドレア・ガブリエリやフレスコバルディの育てたこれらの形式は、スウェーリンクやフローベルガーらの手を経て北方に伝わり、17世紀のドイツでフーガへと発展した。パッヘルベルやJ・C・F・フィッシャー、シャイト、ブクステフーデらはフーガの形式を整え、対位法技法を洗練することに貢献した。これらの業績を受け継いだJ・S・バッハは、調的、和声的な新しい体系との結合によって、フーガの頂点を築いたが、彼のフーガは、比類なく芸術的で個性的な主題をもち、きわめて、精密な対位法を示している。
 バッハ以降、フーガは他の楽曲の一部として用いられることが多く、とくにベートーベンの後期のピアノ・ソナタや弦楽四重奏曲において重要な役割を果たしている。また現代では、レーガーやヒンデミットに新しいスタイルのフーガがみられる。[寺本まり子]

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世界大百科事典内のフーガの言及

【楽式】より

…変奏されるのは,旋律に限らずリズム,和声,音色などあらゆる要素に及び,調も一定でない。(6)フーガ 対位法の最高の段階。一つの主題が特定の調設計に従って各声部で模倣対位法的に展開されていく。…

※「フーガ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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