ブローカー(その他表記)broker

翻訳|broker

デジタル大辞泉 「ブローカー」の意味・読み・例文・類語

ブローカー(broker)

売買仲介をする人。仲買人。「土地ブローカー
[類語]問屋

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精選版 日本国語大辞典 「ブローカー」の意味・読み・例文・類語

ブローカー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] broker ) 物品や権利などの売買の媒介を業とする人。仲買人。
    1. [初出の実例]「仲買(ブローカー)を仕て、買収したので」(出典:大策士(1897)〈福地桜痴〉二三)

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改訂新版 世界大百科事典 「ブローカー」の意味・わかりやすい解説

ブローカー
broker

仲立人とも呼ばれ,独立の第三者としての立場にあって,他人間の商行為の仲介を営業とするものをいう。代理商のように一定商人に従属するものでなく,自由に市場をかけ回って,売手のために買手を探し,買手のために売手を求めて,取引の仲介行動をするところに特色がある。真の意味におけるブローカーは,単に取引の相手を探求紹介するだけでなく,両者の取引契約を円満に実現させるよう誘導し,これを成立させるために努力し,その成約に当たっては証人となる義務もち,その仲立行為が成功したときは契約書に署名するものである。その報酬の仲立手数料はブローカレージbrokerageと呼ばれ,法律上では売手と買手の両方を受益者と認め,均分して負担させることとなっているが,実際には,売却か購入のいずれかを依頼した一方から,取引金額の若干歩合を受けている。

 商品のブローカーは,営業の性質上,雑穀,缶詰,金物など,それぞれ特定商品によって専門化しているが,営業所の特設を必要としないもので,専門内の各方面を奔走して,実務上得た知識・経験から,するどい観察と判断で商況の動きを依頼者に伝え,その利用にあらゆる便宜を供する。ブローカーには,商品売買の仲介をするもののほかに,手形,為替,保険,船舶,通関(税関通過)などの各業界にも,それぞれのブローカーが存在する。そのうち,銀行または証券会社と手形利用者との間に立って手形の割引ならびにその仲介を業とするものがビル・ブローカー,外国為替業務を営む銀行と為替相場利用者との間に立って,その売相場または買相場の売買もしくは予約の仲介を業とするものが為替ブローカーexchange broker,保険会社と保険契約者との間に立って保険契約を仲介するものが保険ブローカーinsurance broker,船主と雇用船者との間に立って船舶利用の仲介をするものが船舶ブローカーshipping broker,税関と貿易者との間に立って通関仲立をするものが税関ブローカーcustoms brokerである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブローカー」の意味・わかりやすい解説

ブローカー
ぶろーかー
broker

独立した第三者として他人間の商行為の媒介を業とする者で、仲立人(なかだちにん)ともよばれる。特定の商人に従属していない点で代理商と異なっている。自由に市場を往来し、買い手のために売り手を探し、売り手のために買い手を探すところに特色がある。媒介が成立したときには、ブローカレージbrokerageとよばれる仲立手数料を受け取る。法律上は売り手と買い手の双方が受益者であるから、均分して仲立手数料を負担することにしているが、実際には、売却もしくは購入を先に依頼した側が取引金額の一定歩合を支払うのが普通である。ブローカーが扱う対象は、商品、手形、為替(かわせ)、保険、船舶、通関、株式などに及ぶが、専門化しているのが実情であり、商品の場合にはさらに、穀物、金属、繊維など特定商品ごとに細かく専門化している。これらのうち、銀行や証券会社と手形利用者の間にたって手形割引ならびにその仲介を業とする者をビル・ブローカーbill broker、外国為替銀行と為替相場利用者とを仲介する者を為替ブローカーexchange broker、船主と用船者を仲介する者を船舶ブローカーship broker、税関と貿易業者の間にたって通関仲立ちをする者を税関ブローカーcustoms brokerという。

[森本三男]

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百科事典マイペディア 「ブローカー」の意味・わかりやすい解説

ブローカー

商行為の媒介を業とする仲立人のことであるが,一般にはより広義に使われる。取引相手の探求・紹介だけでなく取引契約の円満な実現を誘導し,成功すれば手数料を得る。商品,手形,為替,保険,船舶,通関などの各業界のブローカーがある。
→関連項目仲買人

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FX用語集 「ブローカー」の解説

ブローカー

外国為替の取引業者のことをいいます。通貨の売り手と買い手を取り次いで取引を成約させ、手数料を売り手・買い手の双方から徴収します。

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会計用語キーワード辞典 「ブローカー」の解説

ブローカー

株式や債券の取引の当事者間を仲介する役割をもった機関をさします。

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株式公開用語辞典 「ブローカー」の解説

ブローカー

株式や債券の取引の当事者間を仲介する機関を指す。

出典 株式公開支援専門会社(株)イーコンサルタント株式公開用語辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のブローカーの言及

【卸売】より

…また取扱商品の範囲によって総合卸売業・業種別総合卸売業・専門卸売業(限定品目卸売業)に,流通経路上の役割や位置によって収集卸売業(産地卸売業)・仲継卸売業(集散地卸売業)・分散卸売業(消費地卸売業),ないしは一次卸(大卸)・二次卸(中卸)・三次卸(小卸)に,発揮する機能の範囲によって全機能卸売業full‐function wholesalersと限定機能卸売業limited function wholesalersに,そして,それぞれの商圏の広がりによって全国卸売業・地方卸売業に分けられる。これらの中で,代理卸売業と限定機能卸売業については,日本ではこれまでごく限られた事例しかみられなかったが,アメリカなどの事例も含めれば,代理卸売業には,ブローカー,コミッション・ハウス(ほぼ商法上の問屋に相当するアメリカの卸売業),駐在買付代理業resident buyers,せり売買会社auction companiesや日本の商法上の問屋などがあり,限定機能卸売業には,ラック・ジョバーrack jobbers(小売店の店頭の一つのコーナーのいっさいの管理をゆだねられ,専門性を発揮する卸売業),現金払い持帰り制卸売業ないしは現金問屋cash‐and‐carry wholesalers,車積巡回卸売業truck wholesalers(wagon jobbers),直送卸売業drop shipment wholesalers,通信販売卸売業mail‐order wholesalersなどがある。 ところで現在では,問屋といえば一般の卸売業(とくに自己卸売業)という概念とほぼ同義に解する傾向がある。…

【証券業】より

…(1)有価証券の売買を行う業務(ディーラー業務。1号免許),(2)有価証券の売買の媒介,取次ぎおよび代理,ならびに有価証券市場における売買取引の委託の媒介,取次ぎおよび代理を行う業務(ブローカー業務。2号免許),(3)有価証券の引受けおよび売出しを行う業務(アンダーライター業務。…

【商品市場】より

…この銘柄取引の段階になると,取引する時点で商品を用意しなくとも,たとえば〈〇月×日に受渡しする〉という約束に基づく先物取引ができる。この段階になると仲間市場では取引を仲介する専門業者である仲買人(ブローカー)が出現し,取引条件などのルール化が進む。また業者仲間が定期的に一堂に会し,親睦や情報交換を兼ねる席上取引も出てくる。…

【仲買】より

…一般には問屋(といや)と小売店の中間にあって問屋から仕入れた荷を小口にして販売する中間商人をいう。問屋どうしの取引の際,中間に立って売買契約を取り次ぎ,自分の意思での売り買いはせず在庫ももたないブローカーをも含める。ブローカーは仲立人(なかだちにん),仲介人(ちゆうかいにん)とも呼ばれる。…

【仲立人】より

…(商事)仲立人は商品・有価証券の売買,金融取引(とくにコール・マーケット),用船契約,海上保険,旅行・宿泊契約での媒介に多い。 民事仲立人を含めて媒介業者を一般にブローカーと呼んでいる。仲立人は広く一般顧客(商人が多い)の委託に応じて媒介という事実行為である周旋をなす者で,締約代理商(46条。…

【ビル・ブローカー】より

…実際にはロンドンの手形割引商会すなわちディスカウント・ハウス(手形割引商社もしくは手形割引業者と訳されることもある)を指すことが多い。ブローカーという言葉は元来,たんなる売買仲介業者を指すが,歴史上の事情から,自己の責任で手形を買う割引商会をビル・ブローカーと呼ぶことになった。このほかにランニング・ブローカーと呼ばれるたんなる仲介業者を含む。…

【ロンドン株式取引所】より

…組織形態は会員制の自治団体方式をとっており,法人格は有しない。1986年のいわゆる〈ビッグバン〉(後述)以前には,会員はすべて個人に限られ,顧客の売買注文を取り次ぐブローカーbrokerと,特定の銘柄につき自己勘定による売買を専門とするジョッバーjobberに分かれ,両者の兼業は禁止されていた。すなわちジョッバーは一般顧客からの売買注文を受けることができず,売買の相手先はブローカーないし他のジョッバーであった。…

※「ブローカー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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