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プロテスタンティズム Protestantism

翻訳|Protestantism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

プロテスタンティズム
Protestantism

16世紀の西方キリスト教における宗教改革の原動力となった根本的な宗教理念とその具体的な帰結,表現などの総称。その的確な概念規定は困難であるが,信仰主義,聖書主義の2点に要約することができる。前者は sola fide (信仰のみ ) の標語に集約されるように,救済における神の恩恵の絶対性と直接性とを主張するもので,中世教会にしばしばみられたような過度の人間行為の重視,呪術に堕しかねない機械的サクラメントなどへの批判の立場。後者は sola scriptura (聖書のみ) で表わされるように神の言葉の絶対権を主張し,伝統,教会,特にその聖職者の人的権威が神の座を占めようとすることへの批判の立場 (→万人祭司 ) である。

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デジタル大辞泉の解説

プロテスタンティズム(Protestantism)

16世紀の宗教改革に発した、キリスト教プロテスタント各派の思想・神学。その思想的中心は、人は信仰によって救われるとする信仰による義認(ぎにん)と、聖書を信仰の唯一の根拠とする聖書主義の二点である。新教

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百科事典マイペディアの解説

プロテスタンティズム

ローマ・カトリック教会,東方正教会とならぶキリスト教の三大勢力の一つ。宗教改革の結果キリスト教世界に成立したルターカルバン福音主義的信仰,ないしはその伝統を受けついだ諸教派の総称で,日本では〈新教〉とも呼ばれ,〈旧教〉たるカトリック教会と対比されるが,適当ではない。
→関連項目キリスト教WASP

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世界大百科事典 第2版の解説

プロテスタンティズム【Protestantism】

16世紀の宗教改革にはじまり,そこから発展・分化したキリスト教の一群を包括する名称。ローマ・カトリック教会,東方正教会とならぶ,キリスト教の三つの大きな流れの一つ。〈プロテスタント主義〉とも訳される。日本で慣用されている訳語〈新教〉は正しくない。プロテスタントの名称は,1529年4月,ドイツのシュパイヤーで開かれた国会(シュパイヤー国会)で,宗教改革の側に立つ少数派の諸侯と都市が,多数派のカトリック側の皇帝に対してみずからの立場を〈公に表明して抗議〉(ラテン語のプロテスタティオprotestatio――元来は法律用語)したことに由来し,のちに自称として用いられるようになった。

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大辞林 第三版の解説

プロテスタンティズム【Protestantism】

ルター・ツウィングリ・カルバンなどによる一六世紀の宗教改革の中心的思想。また、そこから成立した諸教会の信条の基礎となっている教え。ローマ-カトリック教会の教理と伝承に反対し、聖書を重視し、信仰による義認・万人祭司説などを主張する。近代国家成立の気運と相まって全ヨーロッパ・北米に浸透・定着して今日に至る。ルター派・改革派・メソジスト派・バプテスト派・会衆派など多くの教派から成る、カトリックに次ぐキリスト教の大教派。新教。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

プロテスタンティズム
ぷろてすたんてぃずむ
Protestantism

ルターやカルバンなどによる宗教改革に端を発し、今日では、ローマ・カトリック教会、東方正教会と並ぶキリスト教の一大勢力となった諸教派およびその思想の総称。プロテスタントということばは、神聖ローマ帝国皇帝カール5世の改革否認に対する抗議宣言に由来するが、単なる抗議を超えて、自らの信ずるキリスト教信仰の中核を大胆に告白するという積極的意味をも含んでいる。ルターの提唱になり、その後この教派共通の原理となったのは、(1)人は、善行によってではなく、信仰のみによって神の前に義とされるという信仰義認の原理、(2)伝承などを否定し、聖書のみが信仰の根拠であるとする聖書主義、(3)聖職者と平信徒の区別を排し、神の前での平等を強調する万人祭司の原理、である。これらの原理はすべて、神と人間との間の媒介物を除去し、人間を直接神と直面せしめるものであって、ここにいかなる権威にも屈することのない内面的価値が自覚され、封建的身分秩序からの個人の自立化が可能となった。したがって、政治的には近代民主主義、経済的には資本主義の思想的淵源(えんげん)がここに求められている。他面、信仰が、恩寵(おんちょう)の客観的施設としての教会から解放されることによって、高度に主観的・心情的なものとなり、救いの確かさが見失われていったこと、また正統と異端の分裂を惹起(じゃっき)したことも忘れてはならない。近年、教会再一致への方向が模索されている。[高野清弘]

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世界大百科事典内のプロテスタンティズムの言及

【宗教改革】より

…宗教改革は,16世紀前半,ヨーロッパのキリスト教,それもローマ・カトリックの教界内部でおこった神学,教義,典礼,教会体制の全般にわたる変革運動である。中世いらい,キリスト教はヨーロッパの社会,政治,文化,思想など,生活の諸分野と密接に結びつき,これを深く規定していたため,この変革と,それを通じて成立したプロテスタンティズムは,ルネサンスと並んで,近代ヨーロッパ世界の形成にとって,重要な意義をもつこととなった(図1,図2)。
[改革の先駆け]
 宗教改革の一般的前提をなしたものは,ローマ教皇権の動揺に象徴せられるごとき,中世カトリック教会体制の内部的な構造変化である。…

※「プロテスタンティズム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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