デジタル大辞泉
「ヘルパンギーナ」の意味・読み・例文・類語
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ヘルパンギーナ
- 〘 名詞 〙 ( [英語] herpangina ) ウイルスの感染によって起こる乳幼児の病気。特有な症状として、小さな水疱や潰瘍(かいよう)が咽頭の前面に生じ、夏風邪の原因となることがある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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家庭医学館
「ヘルパンギーナ」の解説
へるぱんぎーな【ヘルパンギーナ Herpangina】
[どんな病気か]
コクサッキーウイルスA群の感染でおこる夏かぜの1つです。
●かかりやすい年齢
かかるのは、90%以上が5歳以下の乳幼児です。
●流行する季節
晩春から夏にかけて多発します。
[症状]
3~5日の潜伏期を経て発病します。急に39℃前後の熱が出て、ふきげんになって食欲がなくなり、嘔吐(おうと)したりします。年長児の場合は、のどの痛みのほか、腹痛や頭痛を訴えることがあります。
のどの前口蓋弓(ぜんこうがいきゅう)から軟口蓋(なんこうがい)にかけての粘膜(ねんまく)に、直径2mm前後の小水疱(しょうすいほう)(水ぶくれ)が数個から十数個みえます。また、これがつぶれて小潰瘍(しょうかいよう)になったものが混在していることもあります。
熱は2~3日で下がり、のどの潰瘍も少しおくれて回復し、およそ1週間ですっかり治るのがふつうです。
[治療]
有効な薬はないので、解熱薬(げねつやく)を用います。
やわらかく、味の薄い、冷たい食事にします。乳幼児は、食欲不振と高熱のために脱水症(だっすいしょう)におちいり、輸液(点滴)が必要になることもあります。
[予防]
病人の咽頭分泌物(いんとうぶんぴつぶつ)や糞便(ふんべん)中のウイルスが飛沫感染(ひまつかんせん)、あるいは経口感染(けいこうかんせん)します。予防接種がないので、手洗いやうがいなどの一般的な予防法を守るほかはありません。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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ヘルパンギーナ
へるぱんぎーな
herpangina
おもにコクサッキーA群のウイルスの感染によっておこる乳幼児の夏かぜの一種で、咽頭(いんとう)粘膜に小水疱(すいほう)を生じ、のどが狭まるところから水疱性口峡炎ともよばれる。5歳までの乳幼児が90%を占め、晩春から夏にかけて多発する。ウイルスは咽頭分泌物や糞便(ふんべん)中に存在し、飛沫(ひまつ)感染あるいは経口感染する。
潜伏期は3~5日で、急に39℃前後の熱が出て2~3日続く。不機嫌になり、食欲がなく、嘔吐(おうと)したりする。すこし年長児の場合には、咽頭痛や嚥下(えんげ)痛のほか、腹痛や頭痛を訴える。他覚的には、咽頭粘膜が発赤して腫(は)れ、咽頭炎を呈するが、特徴的には前口蓋弓(こうがいきゅう)から軟口蓋にかけての粘膜に、直径2ミリメートル前後の灰白色の小水疱が数個から十数個みられる。この小水疱が破れて小潰瘍(かいよう)になったものが混在していることもある。
一般に軽症で予後はよく、1週間以内に症状はなくなる。病原ウイルスに効く薬はなく、解熱剤など対症療法を行う。乳幼児では高熱による拒食のため脱水症をおこし、輸液を必要とすることもある。したがって、食事は軟らかで味の薄い冷たいものを与える。ワクチンなど的確な予防対策はまだないので、患者との接触を避けるようにする。
[柳下徳雄]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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ヘルパンギーナ(コクサッキーウイルス,エコーウイルス,エンテロウイルス)
2)ヘルパンギーナ(herpangina):
ヘルパンギーナは突然の発熱と咽頭痛,嚥下痛で発症し,軟口蓋中心に発赤を伴う直径2~4 mmの小水疱が1~数個認められ,水疱は潰瘍化する.病変は口腔後方に集中し,ヘルペスウイルスによる口内炎のように歯肉炎を伴うことがない.鼻かぜ様の上気道症状はない.通常1週間で治癒する.原因ウイルスはA群コクサッキーウイルス(A2~A6,8,10,B1~5),エンテロウイルス9,16,17などである.毎年夏季に1歳をピークに5歳未満の小児に流行し,年間患者数は130万人程度と推定されている.ヘルパンギーナは感染症法における五類感染症・定点把握疾患であるが,学校伝染病には含まれていない.[中込 治]
■文献
Palacios G, Casa I, et al: Human enteroviruses. In: Infectious Diseases 3rd ed (Cohen J, et al eds), pp1528-1538, Mosby-Elsevier, 2010.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
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「ヘルパンギーナ」の意味・わかりやすい解説
ヘルパンギーナ
39℃前後の発熱があり,咽頭(いんとう),口内粘膜,舌などに小さい水疱ができ,潰瘍(かいよう)となって痛む病気。夏,幼児に多く,4〜5日でなおる。病因はウイルス(コクサッキーA)で,治療は発熱に対する対症療法。食事は牛乳や流動食がよく,しみるもの等刺激物は避けたほうがよい。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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