[生]1929.12.9. ボーダータウン [没]2019.5.16. シドニー オーストラリアの政治家。首相(在任 1983~91)。フルネーム Robert James Lee Hawke。ボブ・ホークとも呼ばれる。西オーストラリア大学卒業後,ローズ奨学生としてオックスフォード大学に留学,卒業。1970年代を通じて労働組合運動の中心的指導者で,1970年から 1980年にかけてオーストラリア労働党の支持母体であるオーストラリア労働組合評議会 ACTUの議長を務めた。1980年よりビクトリア州選出の下院議員,所属政党は労働党。ACTU議長を辞し,政界に転じた直後には,労働党のシャドー・キャビネットで雇用問題・労使関係大臣に就任した。1980年代における労働党のニューリーダーとして早くから注目を集め,1983年の総選挙に際しては新党首として党内の右派と左派をまとめ,清新なイメージを打ち出して自由・国民連合政権に圧勝,労働党政権を誕生させた。労働組合から財界・学会まで幅広い層で人気を獲得し,1991年12月に党内派閥抗争で右派ポール・キーティングに党首の座を追われるまで,約 9年間にわたって長期政権を樹立することに成功した。労働組合との協力関係を全面に押し出し,アコードと呼ばれる政労使協定を結んで,自由化と民営化を柱にオーストラリア経済の立て直しに取り組んだ。外交面では対米関係の強化,アジア太平洋経済協力会議APECの提唱,アジア経済との一体化を進めた。