マキアベリズム(英語表記)Machiavellism

デジタル大辞泉 「マキアベリズム」の意味・読み・例文・類語

マキアベリズム(Machiavellism)

マキャベリズム

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「マキアベリズム」の意味・読み・例文・類語

マキアベリズム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] Machiavellism )
  2. 権力を得るためにはいかなる反道徳的な手段も許されるという主義思想。マキアベリの「君主論」が一五~一六世紀のイタリア背景に、君主の現実的な統治術を描いたところからいう。〔外来語辞典(1914)〕
  3. 一般に、目的のためには手段を選ばない考え方態度をいう。
    1. [初出の実例]「『へい!』マキャベリズムの狸親爺奴、おきて来やがったな」(出典:瀬山の話(1924)〈梶井基次郎〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「マキアベリズム」の意味・わかりやすい解説

マキアベリズム
Machiavellism

目的を達成するためには非道徳的な手段をも是認する権謀術数をいう。これがマキアベリズムと呼ばれるのは,マキアベリがその著《君主論》の中でこうした主張をなしたからと考えられている。たとえば彼は,信義に厚く,気まえがよく,慈悲深いという君主のあるべき姿を認めつつ,現実にはそうした行動をとる君主は邪悪な人間が多い中では没落するであろうといい,場合によっては約束を踏みにじり,〈けち〉に徹し,冷酷であることが是非とも必要であると述べた。プロイセンのフリードリヒ2世(大王)の《反マキアベリ論》(1740)はこうした考えに対する批判として有名である。しかしマキアベリズムはマキアベリ個人の思想にのみ責任を負わせることのできない,多かれ少なか古今東西にみられる現象であり,フリードリヒ大王も実際にはマキアベリズムを大いに活用したといわれる。マキアベリズムは単なる批判で片づけられない問題をつきつけている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「マキアベリズム」の意味・わかりやすい解説

マキアベリズム

目的のためには手段を選ばず,権謀術数をたくましくする政治上の行動様式や主義。マキアベリが《君主論》(1532年)の中で,〈君主は獅子のごとくたけだけしく,狐のごとく狡猾(こうかつ)〉でなければならぬと説いたことに始まり,C.ボルジアがその典型とされる。
→関連項目君主論パワー・ポリティクス

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マキアベリズム」の意味・わかりやすい解説

マキアベリズム
Machiavellism

N.マキアベリの思想そのものでなく,目的のためには手段を選ばず,また反道徳的な行為でも結果がよければ正当化されるとする権謀術数をさす。マキアベリは『君主論』のなかで,イタリアの統一のために君主に対し種々の政治技術を建策した。これが後年政治家たちによって利用され,マキアベリズムの言葉が生れた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android