マチルダ鉱(読み)マチルダこう(その他表記)matildite

最新 地学事典 「マチルダ鉱」の解説

マチルダこう
マチルダ鉱

matildite

化学組成AgBi S2,マチルダ鉱族の鉱物ヨーロッパではschapbachiteと呼ばれることがある。三方晶系,空間群,格子定数a0.4066nm, c1.8958, 単位格子中3分子含む。鉄黒~灰色,金属光沢塊状,粒状。方鉛鉱中の含有物として産出する場合,方鉛鉱の表面がざらつく感じとなる。劈開なし,硬度2.5, 比重6.9(測定値),6.99(計算値)。鉱脈鉱床から方鉛鉱・黄鉄鉱黄銅鉱硫砒鉄鉱閃亜鉛鉱・安四面銅鉱などとともに産出。原産地ペルー,Matilda鉱山にちなみ命名

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マチルダ鉱」の意味・わかりやすい解説

マチルダ鉱
まちるだこう
matildite

銀(Ag)とビスマス(Bi)を含む金属鉱物。和名としてはマティルダ鉱も用いられる。AgBiS2という理想式からは、銀と蒼鉛(そうえん)の硫塩鉱物という印象を受けるが、原子配列上、ビスマスの周囲に硫黄(いおう)(S)原子の顕著な集合はみられないので、現在は方鉛鉱類似の複硫化物として取り扱われ、マチルダ鉱群を形成する。シャップバッハ鉱Schapbachite(化学式AgBiS2)は方鉛鉱と同構造の高温変態と考えられており、合成物の実験結果では転移点225℃とされる。自形の存在は不確実。

 中~深熱水性鉱脈型金・銀鉱床中に産し、また、まれにペグマタイト中に産する。日本では栃木県日光市西沢鉱山閉山)のものが世界的に有名である。共存鉱物は西沢鉱山では、自然金、方鉛鉱、閃(せん)亜鉛鉱、黄銅鉱、石英など。同定は西沢鉱山のものは前記共存鉱物と層状構造をなして産する点で特徴があるが、外国産のものの観察のみによる同定は困難である。見かけは鉄黒色、条痕(じょうこん)は銀色の要素が強い。命名は原産地のペルー、モロコーチャMorococha地方、マチルダMatilda鉱山に由来する。

加藤 昭 2018年10月19日]


マチルダ鉱(データノート)
まちるだこうでーたのーと

マチルダ鉱
 英名    matildite
 化学式   AgBiS2
 少量成分  Se, Pb
 結晶系   三方
 硬度    2.5
 比重    6.99
 色     鉄黒
 光沢    金属
 条痕    淡灰。粉末をよく見ると反射能が比較的高いため色が淡く見えることがわかる。これによって方鉛鉱の混入の識別ができることがある。

 劈開    無。もろい
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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