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レーニン以降の時代におけるマルクス主義の思想・理論の呼称。マルクスは自らの思想にイズムを冠することに強く反発し、レーニンはマルクス主義という名称は用いたが、生前はレーニン主義の呼称を許さなかった。レーニンの死後、ジノビエフやスターリンによりレーニン主義の呼称が公的に用いられ、スターリンは「帝国主義とプロレタリア革命の時代のマルクス主義」という有名な定義を与えた。マルクス・レーニン主義という呼称は、同じくマルクス主義から生まれてきた社会民主主義と自己を区別する共産主義運動の必要から生まれ、マルクス主義をレーニン主義にまで発展させたものとして、スターリン時代に確立された。しかし、スターリン批判後、スターリンによるレーニン主義の理解はレーニン自身の思想・理論を一面的に単純化しており、またレーニン自身も後進国ロシアの革命思想家としてマルクスとは異質の要素を含んでいたことから、西欧諸国や日本では、マルクス主義あるいは科学的社会主義とよぶ傾向が強まった。1989年の東欧革命、91年ソ連解体によって、現存した社会主義の公認国家哲学・御用理論であったマルクス・レーニン主義は、完全に影響力を失った。
[加藤哲郎]
共産主義,レーニン主義ともいう。レーニンの思想をスターリンが解釈して体系化したもの。農民の革命的役割を重視して労働者・農民の同盟を説き,議会民主主義と対立するプロレタリアート独裁およびソヴィエト制度の形で社会主義革命を説く。少数精鋭主義による職業革命家の組織,党を重要視する。哲学上でも弁証法的唯物論と史的唯物論を強調する。スターリンはレーニン主義をもととして一国社会主義論を唱えた。
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…しかし,資本主義と異なった原理で組織された社会としての社会主義社会は,ソ連邦,東ヨーロッパ,東アジア,キューバなどの共産主義国に実現されたものに限られる。これらの諸国は,いずれもマルクス=レーニン主義から出発して社会主義社会の建設と発展をすすめた。それぞれみずからの歴史を背景として多様なあり方を示し,とくにユーゴスラビアのように際だった独自性を打ち出したものもあるが,なおいくつかの基本的な特徴が共通に確認される。…
…しかしその影響力はたんなるブルジョア社会批判の枠をこえて,19世紀の最後の四半世紀から現代にいたるまで世界の革命運動のなかで主導的役割を果たしてきた。ときにはレーニンの思想(レーニン主義)と機械的に結びつけて,〈マルクス=レーニン主義〉といわれることもあるが,ここでは固有のマルクス主義に限定して述べることとする。 マルクス主義は西ヨーロッパの近代ブルジョア社会を母体とし,そこから内発的に展開した思想であり,レーニンの著名な規定に従えば三つの源泉をもっている。…
…ロシア革命の経験とレーニンの思想理論を核とするマルクス主義の潮流。ボリシェビズム,共産主義,マルクス=レーニン主義ともいう。ロシア革命の経験とその指導者レーニンの理論は,コミンテルンを通じて,世界中に広められた。この革命的マルクス主義の潮流を〈レーニン主義〉の名で呼ぶことは,レーニンの没後に始まった。ブハーリン,ジノビエフらもその定式化を試みたが,スターリンが1924年4月スベルドロフスク大学で行った講演〈レーニン主義の基礎について〉は最も包括的なものであった。…
※「マルクスレーニン主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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