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マーベル Marvell, Andrew

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マーベル
Marvell, Andrew

[生]1621.3.31. ヨークシャー,ワインステッド
[没]1678.8.18. ロンドン
イギリスの詩人,政治家。ケンブリッジ大学出身。ヨーロッパ大陸を旅行したのち,フェアファックス卿の娘の家庭教師となり,その間『庭園』 The Gardenを含む多くの抒情詩を書いた。政治的には,『クロムウェルアイルランドからの帰還を祝うオード』 Horatian Ode upon Cromwell's Return from Ireland (1650) にみられるように清教徒側に属し,クロムウェル政権のラテン語書記としてミルトンを助け,王政復古後も迫害されるミルトンを擁護した。ハル選出の国会議員としても活躍し,風刺詩によってクラレンドン伯やチャールズ2世を批判した。その詩風には,庭園や田園生活に対する繊細な感受性に加えて,『内気な恋人に』 To His Coy Mistressにみられる形而上詩的奇想があり,深い教養と宗教的情熱がみごとに調和している。

マーベル

ミッチェル」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディアの解説

マーベル

英国の詩人。ピューリタンとなって愛国的な《クロムウェルのアイルランドからの帰還に寄せる歌》を歌い,また《庭》《内気な恋人》などで形而上詩人として円熟した知性を示す。

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世界大百科事典 第2版の解説

マーベル【Andrew Marvell】

1621‐78
イギリスの詩人。ヨークシャーの国教会派牧師の家に生まれ,ケンブリッジ大学に学ぶ。若いころの一時期カトリック教徒になったともいわれ,政治的心情も王党派寄りであったが,やがてピューリタン(清教徒)革命の進展につれてピューリタン陣営に参加するようになり,革命と共和政の挫折後も,主義を変えなかった。抒情詩人としての詩才は,1650‐52年を中心とする数年間に開花したようである。そのとき彼は,クロムウェルと意見を異にして故郷のヨークシャーに隠棲した元議会派軍総司令官トマス・フェアファクス卿の娘の家庭教師として,アップルトン邸と呼ばれる屋敷に滞在し,その美しい庭園や周囲の自然を,深い思いをこめて歌った。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マーベル
まーべる
Andrew Marvell
(1621―1678)

イギリスの詩人、政治家。ヨークシャーの牧師の家に生まれ、ケンブリッジ大学卒業後、大陸を旅行。ピューリタン革命収拾のめどのついたころに帰国したが、まだ王党派的心情を残していた。1650年『ホラティウス風オード』でクロムウェルをたたえ、犠牲者チャールズ1世をも同時に哀惜している。1650~1652年、隠退した元議会派軍総司令官フェアファックス卿(きょう)の娘の家庭教師として、ヨークシャーのアップルトンに滞在。優れた叙情詩の大半はこの時期に書かれたと推測される。詩風は学殖と典雅な機知に富み、形而上(けいじじょう)派詩の伝統の最後を飾るが、ダンよりも穏やかである。『庭』と題する作品にみられるように、自然美への傾倒が著しい点もダンと異なる。1653年、はっきりとクロムウェル陣営に参加。1657年ミルトンの助手に任ぜられ、王政復古後にはこの大詩人の命を助けたといわれる。王政復古期の国会政治に、愛国的な清教徒議員として野党の立場を貫いた。作風は激越な政治風刺詩へと変わり、形而上詩の伝統の終焉(しゅうえん)を告げている。[川崎寿彦]
『星野徹編訳『アンドルー・マーヴェル詩集』(1989・思潮社) ▽川崎寿彦著『マーヴェルの庭』(1974・研究社出版)』

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