メッセンジャーRNA(読み)メッセンジャーアールエヌエー(英語表記)messenger RNA

翻訳|messenger RNA

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

メッセンジャーRNA
メッセンジャーアールエヌエー
messenger RNA

リボ核酸 RNAの一種で,遺伝子であるデオキシリボ核酸 DNAの塩基配列を鋳型として合成され,この DNA鎖と相補的な塩基配列をもつ。伝令RNAともいう。mRNAと略す。mRNAは核内で酵素的に合成されてから細胞質に出て,リボソーム上に結合し,蛋白質合成におけるアミノ酸の配列を指定する遺伝暗号の役割を果たす。遺伝暗号であるコドンの一覧表は,DNAではなく mRNAの塩基配列についてまとめられている。一定時間,蛋白質合成に用いられた RNAは,分解されてヌクレオチドとして再び新しい RNAの合成に用いられるが,この代謝回転の速度は,細胞の種類などによって異なる。

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百科事典マイペディアの解説

メッセンジャーRNA【メッセンジャーアールエヌエー】

RNA

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栄養・生化学辞典の解説

メッセンジャーRNA

 mRNA,伝令RNAともいう.タンパク質合成過程で必要な,アミノ酸の配列に対応する塩基配列をもつリボヌクレオチド.遺伝子であるDNAを転写して作られる核内のヘテロ核RNAが分子内で切断,結合されて(スプライシング)生成する.5末端にキャップ構造という特有の構造をもち,また真核生物のメッセンジャーRNAは3末端側にアデニル酸がつながった構造をもつ.

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

メッセンジャーRNA
めっせんじゃーあーるえぬえー
messenger RNA

RNAポリメラーゼによりDNAから転写されたRNA。鋳型となったDNAとは相補的な塩基配列(DNA中のアデニン、チミン、グアニン、シトシンに対し、それぞれウラシル、アデニン、シトシン、グアニンが対応)をもったRNAで、mRNAと略記され、伝令RNAともよばれる。このmRNAは転移RNAを介してリボソーム(リボゾーム)で翻訳され(DNAからmRNAに写し取られた遺伝暗号を、それぞれのアミノ酸に対応させる)、遺伝子に記録されたとおりのタンパク質を合成することができる。
 mRNAの寿命は通常きわめて短く、遺伝子の発現・停止は速やかに行われる。元来、mRNAは、ジャコブ‐モノーF. Jacob&J. Monodのオペロン説の帰結として想定され、その後、実験により確認されたものである。mRNA合成に関してはRNAポリメラーゼがDNAのプロモーター領域に結合し、とくに転写を開始する段階で調節が行われている。また真核生物の場合には、遺伝子中に介在配列(イントロン)をもっている場合があり、これは転写後ただちに取り除かれる(スプライシング)。続いて5'末端側はキャッピング、3'末端側はポリA添加という二つの修飾を受け、核から細胞質に移り、リボソームと会合(ポリソームを形成)してタンパク質の合成が行われる。[菊池韶彦]
『J・D・ワトソン他著、中村桂子他訳『遺伝子の分子生物学』第5版(2006・東京電機大学出版局) ▽B・ルーウィン著、菊池韶彦他訳『エッセンシャル遺伝子』(2007・東京化学同人)』

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