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メレアグロス Meleagros

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

メレアグロス
Meleagros

[生]前140頃.シリア,ガダラ
[没]前70頃
古代ギリシアのエピグラム詩人,キュニコス派哲学者。 47人の詩人のエピグラムを集めてギリシア最初の詩選集『花冠』 Stephanosを編み,これがのちの『ギリシア詞華集』の母体となった。愛を歌った彼自身のエピグラム 130編も後者に収録されて伝えられている。彼のメニッポス風サトゥラは失われた。

メレアグロス
Meleagros

ギリシア神話の英雄。カリュドンオイネウスアルタイアの子。誕生して7日後に,母の前に現れたモイライによって,炉の中の薪が燃尽きるまでしか生きられないと予言されたため,アルタイアはすぐその薪を取出して火を消し,大切にしまっておいた。ところが,女神アルテミスの怒りによって放たれた国を荒すいのししを退治するため,ギリシア中の英雄を集め,有名な「カリュドンの猪狩」を催したメレアグロスは,この狩りに女性の身でただ1人だけ参加したアタランテに恋心を抱き,彼女が最初に矢傷を負わせたあと,彼がみずからの手で仕留めたいのししの毛皮と頭とをアタランテに与えたことから,これを不服とする母アルタイアの兄弟たちと争い,ついに伯父たちを殺してしまった。これを聞いて怒った母は,薪を取出して燃やしたため,メレアグロスは絶命し,のちに後悔した母も息子のあとを追って自害したという。

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百科事典マイペディアの解説

メレアグロス

ギリシア伝説でカリュドン王オイネウスの子。巨大な猪が国土を荒らすので狩りを催した。彼が猪にとどめをさしたが,女狩人アタランテに賞品を与えたのをからかわれて,母の弟2人を殺す。

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世界大百科事典 第2版の解説

メレアグロス【Meleagros】

〈カリュドンの猪狩り〉で有名なギリシア伝説の英雄。アイトリア地方のカリュドン王オイネウスOineusとアルタイアAlthaiaの子。彼については二様の伝承があり,ホメロスの《イーリアス》には次のように語られている。ある年,オイネウスが収穫を感謝して神々に犠牲を捧げたおり,うっかり女神アルテミスへの分を忘れたため,怒った女神は巨大な猪を遣わして畑を荒らさせた。そこでメレアグロスはギリシア中の勇士を集めて猪狩りを催し,猪退治には成功したが,獲物の分配がこじれてカリュドン人とアルタイアの里方のクレテス人の間に戦いがもちあがった。

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大辞林 第三版の解説

メレアグロス【Meleagros】

ギリシャ伝説で、カリュドンの猪狩りで知られる英雄。狩りの獲物をめぐる争いから母の兄弟を殺し、怒った母が、燃え尽きれば彼の命が絶えるという燃え木を火に投じたため、急死したという。

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世界大百科事典内のメレアグロスの言及

【ギリシア詞華集】より

… 《パラティナ詞華集》はビザンティン時代ににわかに成立したものではなく,実は前1世紀以来,数次にわたるエレゲイア詩集編纂の成果を踏まえていることが,内容分析から明らかとなっている。前70年ころのメレアグロスMeleagros編の《冠》,前40年ころのフィリッポスPhilipposが〈ヘリコンの花を摘み編んだ〉という,やはり同名の《冠》詩集,後6世紀中葉アガティアスAgathiasがコンスタンティノープルで集成した《環》と題するエピグラム集,そしてさらに9世紀コンスタンティノス・ケファラスKōnstantinos Kephalasによって再編集された大詞華集が生まれ,これが《パラティナ詞華集》の祖本となったのである。詞華集に収められた古典期,ヘレニズム期の大詩人たちのエピグラムは,ルネサンス期以降の西欧の詩人たちの範と仰がれ,甚大な影響を及ぼしている。…

【アタランテ】より

…生まれたとき,女児を欲しなかった父親によって山中に捨てられ,女神アルテミスの聖獣たる牝熊に育てられた。成人後,有名な狩人となった彼女は,カリュドンの猪狩りに参加,猪に最初の矢を射こんでカリュドンの王子メレアグロスからほうびにその皮を贈られた。その後,両親に再会すると父は彼女を結婚させようとしたが,以前から処女をまもることを誓っていた彼女は,求婚者たちに自分と競走して勝つことを求めた。…

【ギリシア詞華集】より

… 《パラティナ詞華集》はビザンティン時代ににわかに成立したものではなく,実は前1世紀以来,数次にわたるエレゲイア詩集編纂の成果を踏まえていることが,内容分析から明らかとなっている。前70年ころのメレアグロスMeleagros編の《冠》,前40年ころのフィリッポスPhilipposが〈ヘリコンの花を摘み編んだ〉という,やはり同名の《冠》詩集,後6世紀中葉アガティアスAgathiasがコンスタンティノープルで集成した《環》と題するエピグラム集,そしてさらに9世紀コンスタンティノス・ケファラスKōnstantinos Kephalasによって再編集された大詞華集が生まれ,これが《パラティナ詞華集》の祖本となったのである。詞華集に収められた古典期,ヘレニズム期の大詩人たちのエピグラムは,ルネサンス期以降の西欧の詩人たちの範と仰がれ,甚大な影響を及ぼしている。…

【コハク(琥珀)】より

…ギリシア人がコハクをエレクトロン(〈太陽の石〉の意)と呼んだのは,この神話と関係があるかもしれない。同じような神話には,メレアグロスの死を嘆いて,アルテミスにホロホロチョウに変えられた彼の姉妹たちの涙が,やはりコハクになったというのがある。また別の伝承では,アポロンがオリュンポス山を追放されてヒュペルボレオイの地へ行ったとき,コハクの涙をこぼしたともいう。…

※「メレアグロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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