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メンデルの法則 メンデルノホウソク

デジタル大辞泉の解説

メンデル‐の‐ほうそく〔‐ハフソク〕【メンデルの法則】

メンデルがエンドウの交配実験から明らかにした遺伝法則。対になる形質のものを交配すると、雑種第一代では優性形質が顕在して劣性形質が潜在するという優劣の法則、雑種第二代では優性・劣性の形質をもつものの割合が3対1に分離して現れるという分離の法則、異なる形質が二つ以上あってもそれぞれ独立に遺伝するという独立の法則の三つからなる。メンデリズム。メンデルの遺伝法則

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百科事典マイペディアの解説

メンデルの法則【メンデルのほうそく】

メンデルが1865年に発表したエンドウの交雑実験の論文に基づき,後代の学者が遺伝現象の基本的な法則にまとめたもの。メンデルの発表当時,同時代の学者からは評価されず,1900年のド・フリースらによるいわゆるメンデルの法則の再発見まで全く無視された。
→関連項目コレンス細胞質遺伝雑種植物の研究チェルマク

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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

メンデルの法則

オーストリアの僧侶・植物学者のメンデルが、1866年に発表した遺伝のしくみに関する法則。 1.優勢(優劣)の法則、2.分離(分裂)の法則、3.独立の法則の3つの法則からなる。

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大辞林 第三版の解説

メンデルのほうそく【メンデルの法則】

メンデルが1865年に発見した遺伝の法則。親の形質は遺伝子によってある規則性をもって子や孫に伝わるというもの。優性の法則・分離の法則・独立の法則の三つの法則からなる。優性の法則に関しては優劣関係のはっきりしないものが多いので、これを除く場合もある。メンデリズム。 → 優性の法則分離の法則独立の法則

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

メンデルの法則
メンデルのほうそく
Mendel's law

G.メンデルが論文『植物雑種に関する研究』 (1865) に述べた内容を,後代の研究者がまとめたもので,遺伝に関する根本法則。メンデルの論文は 1900年に,C.コレンス,E.チェルマック,H.ド・フリースの3人により,それぞれ独立に再発見され,コレンスがメンデルの法則という呼称を与えた。まとめ方により解釈の差があるが,一般には「優性の法則」「分離の法則」「独立の法則」の3法則とする。優性の法則は,単性雑種の F1 (雑種第1代) において,対立形質のうち優性の形質のみが発現することをいう。これには不完全優性や部分優性などの例外がある。分離の法則は F2 (雑種第2代) において,優性対劣性形質が一定の比 (完全優性では3:1,不完全優性では1:2:1) に分離することをさす。独立の法則は,2対以上の形質に同時に注目する両性ないし多性雑種において,形質各対は独立して遺伝するという法則。同一染色体に遺伝子が乗っていることによる連鎖の現象などがあれば,独立の法則はあてはまらない。なお,優性の法則と独立の法則には例外があるから,メンデルの法則は,分離の法則のみであるとする人もいる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

メンデルの法則
めんでるのほうそく
Mendel's Law

オーストリアの修道院僧で生物学・気象学者でもあったG・J・メンデルにより発見された、有性生殖を行う生物における遺伝の基本法則。1865年に「植物の雑種に関する実験」と題して発表されたが、その真価が認められるようになったのは35年後のことである。『種の起原』で知られているC・R・ダーウィンもこの論文には気づかず、1868年に著した『飼育動植物の変異』ではメンデリズムの要点をつかみながら、この概念を徹底するに至らなかった。メンデルの法則の再発見は、ド・フリース、コレンス、チェルマクの3人によって1900年に独立になされた。これが近代遺伝学幕開きの契機となった。
 メンデルの法則は、一般には優劣の法則、分離の法則、独立の法則の三つとするが、人によっては優劣の法則を除外したり、純粋の法則とよばれるものを加えたりする。優劣の法則は、対立形質をもつホモ個体間の交配から雑種第一代(F1)をつくると、F1ではしばしば対立形質の一方だけが現れ、他方は隠れる現象、つまり対立形質間に優性・劣性の関係があることをいう。独立の法則は、二つ以上の形質に関する遺伝様式について、もしそれらの形質を決定する因子間に染色体上の連鎖がなければ、それらの形質は互いに独立に組み合わされた結果として表現されることをいう。しかし、メンデルの最大の功績は、融合説にかわるものとして粒子説を正しく認識したことで、分離の法則がそれを端的に示している。すなわち、F1のヘテロ個体(異型個体)どうしをかけ合わせると、F2では形質の分離がおこり、たとえ劣性な形質でもF2個体に表現されてくることをいう。遺伝の融合説に従えば、このような分離は不可能である。遺伝形質を決定する因子(遺伝子)は「粒子」状のものとして維持されていなければならない。純粋の法則は、分離の法則の別の表現である。F1で表現形質としては隠された劣性因子が完全に維持、伝達されていくことをいう。したがって、この法則は、遺伝因子の粒子性を強調するという歴史的意味しかもっていないといえる。
 近代遺伝学の歩みは、メンデルの法則に従わない例を研究してきたという側面ももっている。たとえば、遺伝子の型と表現形質はかならずしも一対一の対応がつかないこと、環境要因による遺伝子発現への影響、多数の遺伝子の染色体上における連鎖、減数分裂の機構を乱す自己的な遺伝子の存在、核外にある遺伝子など、すべてメンデルの法則に従わない原因や因子である。このような例外がある一方、遺伝子は事実「粒子」であり、メンデリズムはどのような遺伝子、形質に対しても正しい概念なのである。遺伝形質に及ぼす環境の影響もメンデリズムの立場から理解されなければならない。畑尚之]

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世界大百科事典内のメンデルの法則の言及

【遺伝】より

…核に存在する遺伝子を核内遺伝子または単に遺伝子というのに対し,細胞質中の遺伝子を細胞質遺伝子またはプラズマジーンという。核内遺伝子およびこれに支配される形質は原則として両親性の遺伝を行い,メンデルの法則に従って後代に伝わる。細胞質遺伝子およびこれに支配される形質は原則として母親からだけ後代に伝わり,単親性の細胞質遺伝をする。…

【遺伝学】より

…それまで,遺伝をつかさどる物質は液体のようなものであり,子どもでは両親の遺伝物質が,ちょうど白と黒のペンキを混ぜ合わせたときのように混じり合い,再び分かれることがないとする〈融合遺伝〉の考えが支配的であった。このようなときメンデル(1865)はエンドウをつかい,子葉の色の緑と黄のような対立形質について異なる両親を交配し,その後代をいわば家系別に追跡・調査してメンデルの法則に到達した。メンデルのもっとも重要な貢献は,対立形質を支配しているのは対立的な要素(現在の対立遺伝子)であり,子どもは両親からこの要素を一つずつ受けつぐが,これは決して融合せず,子どもが配偶子をつくるとき,分かれて別々の配偶子に入ることを正しく見抜いた点にある。…

※「メンデルの法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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