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モナド Monade; monad

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

モナド
Monade; monad

ドイツの哲学者ライプニッツの実体概念。ギリシア語で1を意味する語 monosに由来し,単子と訳される (言葉自体はブルーノヘルモントらに先行する用例がある) 。『形而上学叙説』などの著作で実体的形相,エンテレケイア,形而上学点などといわれるものに等しく,『単子論』で体系的に展開されている。モナドは部分をもたない単純な実体で,物質的ではなく霊的である。生成消滅することはなく,そこに起る一切の変化は内的原理に由来し (「モナドには窓がない」) ,表象 (意識されないものを含む) によって全世界と全歴史を表現する。表象を変化させる通時的原理は欲求である。モナドは外からの影響を受けないから,モナド間に因果関係はなく,相互間の関係は予定調和の原理で説明される。世界は低級な物体から神にいたるモナドによって構成されており,この位階はそれぞれのモナドの含む表象の明瞭度による。

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デジタル大辞泉の解説

モナド(monad)

単子。哲学で、宇宙を構成する形而上学的な単純実体。特に、ライプニッツ哲学の根本原理。→モナド論

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百科事典マイペディアの解説

モナド

ドイツ語ではMonade。〈単子〉と訳。ギリシア語モナスmonasに由来し,単位としての〈1〉が原義。ピュタゴラス学派,プラトン,新プラトン学派およびこれらを継ぐルネサンスの思想家によって〈単純者〉〈一者〉の意(端的には神)で用いられたが,独自の形而上学を築いたのはライプニッツ(《モナドロジー》1714年)。
→関連項目予定調和力動説

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世界大百科事典 第2版の解説

モナド【monad】

ギリシア語のモナスmonas(単位,一なるもの)に由来する概念。単子と訳される。古代ではピタゴラス学派やプラトンによって用いられ,近世ではニコラウス・クサヌスやブルーノが,モナドを世界を構成する体的な単純者,世界の多様を映す一者としてとらえた。これらの先駆思想を継承して,ライプニッツは彼の主著《モナドロジー》において独自の単子論的形而上学思想を説いた。ライプニッツは物理的原子論を批判して,宇宙を構成する最も単純な要素すなわち自然の真のアトムは,不可分で空間的拡がりをもたぬ単純者であり,いわば〈形而上学的点〉とも言うべきものであると主張した。

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大辞林 第三版の解説

モナド【monad】

〘哲〙 充実した内面をもち、自発的知覚を担う単位実体。ピタゴラス学派などにおいて用いられ、ライプニッツに至ってその形而上学説の中心におかれた。単子。

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世界大百科事典内のモナドの言及

【表象】より

… さらに,この語の現代の用法からみると例外的であるが,ライプニッツの哲学にあっては表象はperceptioの訳語としても用いられる。ライプニッツはすべての存在者の究極の構成要素つまり実体を〈単子(モナド)〉と呼び,その基本的属性を〈欲求appetitus〉と〈表象perceptio〉にみる。したがって,精神的実体や動物にだけではなく,植物やさらには無機的物体にも,それなりの仕方で世界の全体をおのれのうちに“映し出し表現するrepraesentare”表象の能力が認められるのである。…

【もの(物)】より

…(5)物を微小な基本的要素,たとえば原子(アトム)の集合体とみる立場も古代ギリシアのデモクリトス以来一つの強い伝統になっており,現代の量子論によってさらに原子そのものの内部構造が問い深められることによって,ますます精緻に仕上げられつつある。この考え方の一つの変異体として,ライプニッツのようにその基本的単位を空間的広がりをもたぬ力の統一体(モナド)としてとらえる立場もある。(6)ライプニッツのこの考え方はカントによっても受けつがれる。…

【力動説】より

…ライプニッツにおいては力の概念は現象的自然の学である物理学の基礎とされるにとどまらず,さらに現象の根底に想定される真実在の学,すなわち形而上学の根本原理とされる。世界を構成する要素たるモナドは,形相的契機としての能動的力と質料的契機としての受動的抵抗力とから成る単純実体であり,いっさいの事象はそれぞれの単純実体の自発的働きの力動的展開,およびそれらの自発的働き相互の間の予定調和的対応として説明される。力動説という呼称は,ベルグソン説に典型的に見られるごとき,ダイナミックな生成を実在における本源的なものとみなす生命論的哲学説にも適用される。…

※「モナド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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