リリエンタール(英語表記)Otto Lilienthal

デジタル大辞泉 「リリエンタール」の意味・読み・例文・類語

リリエンタール(Otto Lilienthal)

[1848~1896]ドイツの機械製作者。ハンググライダーを開発して曲面翼の有効性発見グライダー飛行実験中、突風のため墜落死。著「飛行術基礎としての鳥の飛行」。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「リリエンタール」の意味・読み・例文・類語

リリエンタール

  1. ( Otto Lilienthal オットー━ ) ドイツの航空技師。飛行機研究開拓者。鳥の飛翔を力学的に研究し、グライダーを製作、滑空飛行に成功した。滑空中に墜死。著「飛行術基礎としての鳥の飛行」。(一八四八‐九六

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「リリエンタール」の意味・わかりやすい解説

リリエンタール
Otto Lilienthal
生没年:1848-96

ドイツの航空先駆者。幼時から鳥の飛行に興味をもち,成人してから弟グスタフGustavとともに回転腕により翼型の基礎研究を行って,その結果を1889年に《航空術の基礎としての鳥の飛行》として出版した。彼はそのころベルリンのリヒターフェルデの小鉄工所主で,みずからグライダーを飛ばしたのは91年から没年96年までの約5年間である。彼はその間に10種以上のグライダーを製作し,総計約2000回の滑空飛行を行った。彼の目的はスポーツ的なもので,その販売,あるいは実用まで考えなかった。滑空距離を延ばすため,炭酸ガスボンベからの圧力シリンダーピストンを作動させ,羽ばたき飛行をする計画を立てていたが,グライダーで墜死した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「リリエンタール」の意味・わかりやすい解説

リリエンタール

ドイツの航空研究家。弟グスタフ〔1849-1933〕とともに鳥の飛行について研究,翼の理論の基礎をつくる。1890年ごろから自作のグライダーによる飛行実験を重ね,1895年には飛行距離350mに達した。1896年8月滑空中突風にあって墜落,死亡した。
→関連項目グライダー航空事故飛行機

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のリリエンタールの言及

【航空】より

…この迷いから脱して,揚力は固定した翼により,また推進力はプロペラにより,それぞれ別々に発生させるようにしたことが成功の鍵であった。ドイツのO.リリエンタールは,1891年固定翼つきのグライダーで滑空実験を開始し,各国の研究者がこれに続いた。この未開の分野の開拓のため,リリエンタールをはじめ,多くの人が墜落して命を失った。…

【航空事故】より


[歴史と傾向]
 航空機の事故によって人が死亡した世界最初の例は,1785年6月15日にフランスのピラートル・ド・ロジエPilâtre de Rozierらが気球によるイギリス海峡横断を企てた際,空中爆発を起こして墜落した事故といわれている。空気より重い航空機では,1896年8月9日にドイツのベルリン近郊においてグライダーで飛行中墜落したO.リリエンタールの事件(重傷,翌日死亡)で,また,飛行機事故としては,1908年9月17日にアメリカ陸軍フォート・マイヤー基地で発生したライト・フライヤー型機の墜落(操縦のO.ライト負傷,同乗のT.セルフリッジ中尉死亡)が最初であった。ちなみに日本最初の死亡事故は,13年3月28日に所沢で発生した陸軍ブレリオ機の空中分解による墜落事故である(木村鈴四郎,徳田金二両中尉が死亡)。…

※「リリエンタール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」