翻訳|Regulus
しし座のα(アルファ)星の固有名。古くからバビロニアやギリシア、アラビアなどで「王」や「王者」とよばれていたが、この「小さい王 Regulus」というラテン名はコペルニクスが初めて使ったという。春の宵の空に輝く1.35等の恒星で、スペクトル型はB7Vの主系列星、表面温度は約1万3000Kである。天球上の位置は、2000年分点の座標で、赤経10時08分、赤緯プラス11度58分。距離は77光年。質量は太陽の5倍程度、半径は3.8倍。赤道表面で少なくとも毎秒330キロメートルという高速度で自転している。レグルスは実視連星であり、主星(A星)から角度で180秒ほど離れたところに、8.12等のスペクトル型K1Vの主系列星を伴星(B星)にもつ。さらに、このB星も角度で数秒離れたところに13.1等のM型星を伴星(C星)にもっている。これらの星は全体として太陽系から毎秒6キロメートルの速度で遠ざかっている。位置が黄道上にあるため月に隠されることがあり、惑星もよく近くを通るので、古来、占星術に利用された。
[北村正利・岡崎 彰]
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