レプトン(読み)れぷとん

デジタル大辞泉 「レプトン」の意味・読み・例文・類語

レプトン(lepton)

スピン半整数(1/2)の素粒子強い相互作用の影響を受けず、単独で存在できる。電荷をもつ電子μミュー粒子・τタウ粒子と、それらに対応する電荷をもたない3種のニュートリノ電子ニュートリノμニュートリノτニュートリノ)があり、それぞれ反粒子が存在する。軽粒子

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精選版 日本国語大辞典 「レプトン」の意味・読み・例文・類語

レプトン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] lepton ) 強い相互作用をしないスピン半整数の素粒子の総称。エレクトロン(e)、ミューオン(μ)、タウ粒子(τ)と、三種類のニュートリノがある。軽粒子。

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百科事典マイペディア 「レプトン」の意味・わかりやすい解説

レプトン

軽粒子とも。素粒子の分類の一つ。電子,電子ニュートリノμ粒子,μニュートリノ,τ粒子,τニュートリノおよびそれらの反粒子をいう。すべてスピン1/2。強い相互作用には関与しない。弱い相互作用による過程の前後でレプトン数(粒子数−反粒子数)は保存される。
→関連項目基本粒子τ粒子中間子バリオンパールライネス

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改訂新版 世界大百科事典 「レプトン」の意味・わかりやすい解説

レプトン
lepton

軽粒子ともいう。電子,μ粒子,τ粒子およびそれぞれに対応する中性微子(電子ニュートリノ,μニュートリノ,τニュートリノ)の総称。さらに第4,第5の組も存在する可能性がある。これらの粒子はいずれもフェルミ粒子で,スピンは1/2,強い相互作用をしないという性質をもっている。とくに中性微子は電気的にも中性で,その相互作用は重力相互作用と弱い相互作用に限られる。現在までのところ電子数,μ粒子数,τ粒子数は中性微子を考慮に入れて独立に保存する量であり,たとえばμ→e+γのような過程は観測されていない。しかしながらこのような過程の存在は理論的にはあり得るものであり,これらの量の和としてのレプトン数(反粒子の場合は-1と定める)も厳密には保存していないことが考えられる。τ粒子の質量は約1.8GeVで電子の0.5MeV,μ粒子の120MeVに比べて極端に重い。その存在は1975年,電子と陽電子の衝突によるτ粒子とその反粒子の対生成によって明らかにされ,さらにτ粒子とその反粒子が合体して崩壊する過程でτニュートリノが生ずることも発見された。なお,レプトンの名称はギリシア語のleptos(薄い,小さい)にちなんで軽い粒子の意味でつけられたものであるが,これはτ粒子が発見されるまではいずれも質量が核子よりも小さかったためである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レプトン」の意味・わかりやすい解説

レプトン
lepton

3世代 6種類のレプトンがある。第一世代は電子と電子ニュートリノ (e,νe) ,第二世代は負μ粒子とミューニュートリノ (μ-, νμ) ,第三世代は負 τ粒子とタウニュートリノ-, ντ) であり,これらの反粒子を含めてレプトンと呼ぶ。レプトンはスピン 1/2のフェルミオンバリオン数は 0である。荷電粒子電磁相互作用をするほかは,弱い相互作用をするだけであるから弱粒子とも呼ばれる。弱い相互作用では eと νe,μ-と νμ,τ-と ντがそれぞれ組になって作用する。それぞれのレプトン数が相互作用の際に保存される。レプトンが関与する相互作用ではパリティが保存されない。

レプトン
Repton, Humphry

[生]1752.4.21. ベリーセントエドマンズ
[没]1818.3.24. ランフォード
イギリスの造園家。事業の失敗から 39歳で趣味を生かした造園界に入る。 L.ブラウン亡きあと,彼の牧歌的造形と当時流行の荒々しい理想自然派の間をいく,中庸的でピクチャレスクな様式を築き,「風景庭園」と称した。景観デザインのなかに建築的要素を取入れ,特に建物周囲にはテラスや階段,花壇などの直線的構成を用いて,庭園の自然風景との有機的結合に妙をみせた。彼の関与した庭園,公園は 200に及ぶ。また水彩画の特技を生かして設計前後の状態図を示した顧客用スケッチブックは「レッドブック」と呼ばれ,以降の設計図書の範となった。 1796~1802年は J.ナッシュと協力。『風景庭園のヒントと素描』 Sketches and Hints on Landscape Gardening (1795) ,『風景庭園の理論と実際』 Observations on the Theory and Practice of Landscape Gardening (1803) をはじめ著書も多い。

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化学辞典 第2版 「レプトン」の解説

レプトン
レプトン
lepton

弱い相互作用,電磁相互作用をする素粒子.バリオンに対して,質量が軽いことから軽粒子ともいう.スピン1/2.フェルミ統計に従う.電子,電子ニュートリノがもっとも普通のレプトン.(電子 e,電子ニュートリノ νe)を第一世代,(ミューオンμ,ミューニュートリノ νμ)を第二世代,(タウオンτ,タウニュートリノ ντ)を第三世代とよぶ.電子,ミューオン,タウオンは電荷-1.質量はそれぞれ0.511,105.6,1777 MeV.ニュートリノはいずれも無電荷.これら6粒子に加えてそれぞれの反粒子が存在する.語源はギリシア語の“小さい”を意味する言葉λεπτζに由来する.

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知恵蔵 「レプトン」の解説

レプトン

「クオーク」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「レプトン」の意味・わかりやすい解説

レプトン
れぷとん

軽粒子

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世界大百科事典(旧版)内のレプトンの言及

【宇宙線】より

…さらに高いエネルギー領域については,山上や地上の広大な面積に多数のシンチレーションカウンターやその他の計数管を散在させた装置で,拡大空気シャワーとして降ってくる105~1010個の荷電粒子の観測を行い,超高エネルギー核相互作用の特性についての究明が行われている。また,レプトンについても,μ粒子の寿命は2.15×10-6秒であるが,高エネルギーでは相対論的効果によって寿命が延び遠方まで到達するので,電磁石スペクトロメーターによる運動量と正負の荷電比の測定,カロリーメーターによる相互作用の測定,地下約1万m水深相当(m.w.e.と表示する)までの深さと強度の関係などが観測されている。地下深部では宇宙線強度も弱いので,希少現象の中性微子相互作用の観測もなされている。…

【素粒子】より

…この強い力は,10-13cmという非常に小さい距離でのみ強く働いて,それを越えると非常にはやく減少するという特徴をもつ。さて,素粒子をこの相互作用とのかかわりによっておおまかに分けてみると,ハドロン(強粒子),レプトン(軽粒子),フォトンの3種類になる。ハドロンは強い相互作用をするのが特徴であるが,電磁相互作用や弱い相互作用もする。…

※「レプトン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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