ローレライ

デジタル大辞泉 「ローレライ」の意味・読み・例文・類語

ローレライ

《〈ドイツ〉Lorelei》ドイツ西部、ライン川中流の峡谷の東岸に垂直にそびえる奇岩。高さ132メートル。また、その岩上にいて、美しい歌で舟人を誘惑し破滅させるという伝説の魔女。
《〈ドイツ〉Loreleiをうたったハイネの詩にドイツのF=ジルヒャーが1837年に作曲した歌曲日本では近藤朔風の訳詩で知られる。
《原題、〈ドイツ〉Die Loreleiブルッフオペラ。全3幕。1863年、マンハイムで初演。台本はE=ガイベルが手掛け、元はメンデルスゾーンのために書かれたとされる。

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精選版 日本国語大辞典 「ローレライ」の意味・読み・例文・類語

ローレライ

  1. [ 一 ] ( Lorelei 「妖精の岩」の意 ) ドイツ西部のライン川中流の峡谷右岸にそびえる奇岩。また、その岩上にいて、美しい歌声で舟人を誘惑し破滅させるという伝説の魔女。ハイネの詩で有名。
  2. [ 二 ] ( 原題[ドイツ語] Die Lorelei ) ハイネ作詩集「歌の本」(一八二七年刊)中の一編。[ 一 ]にまつわる伝説によって作られ、岩上に髪をくしけずる魔女の歌声に魅せられて舟人がおぼれ死ぬさまを歌う。ジルヒャー作曲の歌曲として有名。

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改訂新版 世界大百科事典 「ローレライ」の意味・わかりやすい解説

ローレライ
Loreley
Lorelei

ドイツ,ライン川中流の右岸にそびえ立つ高さ132mの巨岩呼名。かつてこのあたりは舟行の難所であったが,いまはライン名勝の一つとなっている。この岩は古来山彦を起こすことで知られ,古名〈ルーレライ〉は〈待ち岩〉を意味し,こだま(エコー)を岩(ライLei)のそばで待ちうける(ルーレンlûren,lauern)ことに由来する命名という。またここに住み,歌声(エコー)で舟人を誘惑したという水の精ローレライの〈伝説〉は詩人空想が伝説化したもので,ロマン派の詩人C.ブレンターノが物語詩《ローレ・ライ》(1801)の中で,男たちを魅惑して破滅させる美しい乙女にこの名を与えて以来,詩人たちはしばしばこの題材を採り上げて発展させた。とりわけハイネの詩《ローレライ》(1823あるいは1824)はジルヒャーFriedrich Silcher(1789-1860)の作曲によって民謡のように広く親しまれ,日本でも〈なじかは知らねど心侘(わ)びて〉で始まる近藤朔風(さくふう)の訳詞で愛唱されている。
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百科事典マイペディア 「ローレライ」の意味・わかりやすい解説

ローレライ

ドイツ西部,ライン川中流右岸にそびえる巨岩。コブレンツ南東約17km。標高200m。この付近のライン川の河床は狭く深く,水が渦巻き,舟航の難所。この岩に妖精が立って舟人を誘惑すると伝えられ,ブレンターノハイネなどの詩にもうたわれている。
→関連項目ライン渓谷中流上部

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世界の観光地名がわかる事典 「ローレライ」の解説

ローレライ【ローレライ】
Loreley

ドイツ中西部、ライン川流域の町ザンクトゴアルスハウゼン(St. Goarshausen)の近くにある、ライン川の水面から突き出た高さ130mほどの岩山。ライン川下りでは、フランクフルト(Frankfurt am Main)から列車で1時間ほどの、ライン川クルーズの起点リューデスハイム(Rüdesheim)とザンクトゴアルスハウゼンの区間のライン渓谷のクライマックスとなっている。◇この岩山は、ライン川の川幅が急に狭まり、流れが速くなる急カーブにあり、水面下に隠れている岩も多いことから、航行中の船がたびたび座礁(ざしょう)や沈没事故を起こした。このため、ここを通る船の船頭が金色の櫛(くし)を持った美しい少女の歌に魅せられると、船が渦の中に飲み込まれてしまうという魔女伝説(ローレライ伝説)を生んだ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ローレライ」の意味・わかりやすい解説

ローレライ
Lorelei

ドイツ,ライン川の右岸にそびえる巨岩。コブレンツから約 35km上流にある。原義は「待伏せする岩 (Lur-lei=lauernder Fels) 」。最初に文学の題材となったのは C.ブレンターノの小説『ゴッドウィ』 Godwi (1801) 第2部に含まれる詩であるが,ブレンターノは「妖精の岩 (mons Lurlaberch=Elbenfels) 」の名から詩を創作したと述べている。その後ハイネやアイヘンドルフの作品で有名になった。妖精の美しい歌声に誘われ,船乗りたちが波間に引込まれてしまうというハイネの詩に F.ジルヒャーが作曲した歌曲は日本でも親しまれている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ローレライ」の意味・わかりやすい解説

ローレライ
ろーれらい
Die Lorelei

ドイツの作曲家ジルヒャーの歌曲。1837年作曲。ライン河畔の伝説に基づいたハイネの詩に、民謡風の美しい旋律が付され、三節よりなる。ラインの夕暮れ、岩上に立った美しい乙女の歌に心を奪われて舟を進めると、やがてその舟は乗っている人もろとも波に飲まれてしまうという内容で、わが国では近藤朔風(さくふう)の訳詞「なじかは知らねど」によって古くから親しまれている。作曲者ジルヒャーはモーツァルトやメンデルスゾーンのスタイルで250曲ほどの歌曲をつくるほか、ドイツをはじめとするヨーロッパ各地の民謡の収集でも功績を残した。

[三宅幸夫]

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デジタル大辞泉プラス 「ローレライ」の解説

ローレライ〔映画〕

2005年公開の日本映画。福井晴敏『終戦のローレライ』(2002)の映画化。監督:樋口真嗣、出演:役所広司、妻夫木聡、柳葉敏郎、香椎由宇、堤真一ほか。

ローレライ〔曲名〕

日本の唱歌の題名。作詞:近藤朔風、作曲:ジルヒャー。発表年は1909年。

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世界大百科事典(旧版)内のローレライの言及

【ローレライ】より

…この岩は古来山彦を起こすことで知られ,古名〈ルーレライ〉は〈待ち岩〉を意味し,こだま(エコー)を岩(ライLei)のそばで待ちうける(ルーレンlûren,lauern)ことに由来する命名という。またここに住み,歌声(エコー)で舟人を誘惑したという水の精ローレライの〈伝説〉は詩人の空想が伝説化したもので,ロマン派の詩人C.ブレンターノが物語詩《ローレ・ライ》(1801)の中で,男たちを魅惑して破滅させる美しい乙女にこの名を与えて以来,詩人たちはしばしばこの題材を採り上げて発展させた。とりわけハイネの詩《ローレライ》(1823あるいは1824)はジルヒャーFriedrich Silcher(1789‐1860)の作曲によって民謡のように広く親しまれ,日本でも〈なじかは知らねど心侘(わ)びて〉で始まる近藤朔風(さくふう)の訳詞で愛唱されている。…

※「ローレライ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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