ドイツ,ライン川中流の右岸にそびえ立つ高さ132mの巨岩の呼名。かつてこのあたりは舟行の難所であったが,いまはライン名勝の一つとなっている。この岩は古来山彦を起こすことで知られ,古名〈ルーレライ〉は〈待ち岩〉を意味し,こだま(エコー)を岩(ライLei)のそばで待ちうける(ルーレンlûren,lauern)ことに由来する命名という。またここに住み,歌声(エコー)で舟人を誘惑したという水の精ローレライの〈伝説〉は詩人の空想が伝説化したもので,ロマン派の詩人C.ブレンターノが物語詩《ローレ・ライ》(1801)の中で,男たちを魅惑して破滅させる美しい乙女にこの名を与えて以来,詩人たちはしばしばこの題材を採り上げて発展させた。とりわけハイネの詩《ローレライ》(1823あるいは1824)はジルヒャーFriedrich Silcher(1789-1860)の作曲によって民謡のように広く親しまれ,日本でも〈なじかは知らねど心侘(わ)びて〉で始まる近藤朔風(さくふう)の訳詞で愛唱されている。
執筆者:橋本 郁雄
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ドイツの作曲家ジルヒャーの歌曲。1837年作曲。ライン河畔の伝説に基づいたハイネの詩に、民謡風の美しい旋律が付され、三節よりなる。ラインの夕暮れ、岩上に立った美しい乙女の歌に心を奪われて舟を進めると、やがてその舟は乗っている人もろとも波に飲まれてしまうという内容で、わが国では近藤朔風(さくふう)の訳詞「なじかは知らねど」によって古くから親しまれている。作曲者ジルヒャーはモーツァルトやメンデルスゾーンのスタイルで250曲ほどの歌曲をつくるほか、ドイツをはじめとするヨーロッパ各地の民謡の収集でも功績を残した。
[三宅幸夫]
…この岩は古来山彦を起こすことで知られ,古名〈ルーレライ〉は〈待ち岩〉を意味し,こだま(エコー)を岩(ライLei)のそばで待ちうける(ルーレンlûren,lauern)ことに由来する命名という。またここに住み,歌声(エコー)で舟人を誘惑したという水の精ローレライの〈伝説〉は詩人の空想が伝説化したもので,ロマン派の詩人C.ブレンターノが物語詩《ローレ・ライ》(1801)の中で,男たちを魅惑して破滅させる美しい乙女にこの名を与えて以来,詩人たちはしばしばこの題材を採り上げて発展させた。とりわけハイネの詩《ローレライ》(1823あるいは1824)はジルヒャーFriedrich Silcher(1789‐1860)の作曲によって民謡のように広く親しまれ,日本でも〈なじかは知らねど心侘(わ)びて〉で始まる近藤朔風(さくふう)の訳詞で愛唱されている。…
※「ローレライ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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