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ワサビ

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栄養・生化学辞典の解説

ワサビ

 [Wasabia japonica],[Eutrema wasabi].わが国特有のスパイスフウチョウソウアブラナ科ワサビ属の多年草の根や葉,茎などを食べる.特に根はすりおろしてさしみなどを食べる場合のスパイスに使う.

出典|朝倉書店
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百科事典マイペディアの解説

ワサビ

アブラナ科の水生多年草。北海道〜九州に分布し,冷涼な気候と溪流など日陰を好む。根茎は節のある円筒形で,各節には葉痕(ようこん)があってゴツゴツしている。高さ20〜40cm。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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食の医学館の解説

わさび【ワサビ】

《栄養と働き&調理のポイント
 わが国原産でカブ、ダイコンと同じアブラナ科に属します。清流に洗われるような自然環境でしか生育できません。天然ものの値段が高いのはそのためで、出回っているのはほとんど栽培ものです。
○栄養成分としての働き
 特徴はなんといっても、刺激性のある辛みです。この成分は、配糖体のシニグリンという物質。すりおろすことで、酵素の働きによって辛くなります。強い殺菌力があり、昔から寿司や刺身など生ものとともに使われていたこともうなずけます。辛み成分には食欲増進効果もあります。
 根茎を香辛料に使い、若い葉(葉ワサビ)、花やつぼみも(花ワサビ)利用します。葉緑素が豊富で、おひたしや塩漬けにするとおいしく食べられます。ワサビの茎と根を酒粕(さけかす)で漬け込んだものがワサビ漬け。ワサビの主産地である静岡県の伊豆天城山麓や岐阜県高山の名物です。
 粉を溶いて使う粉ワサビは、ホースラディッシュという別品種のもので、このワサビとは異なります。
○注意すべきこと
 刺激が強いので、胃潰瘍十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)があるときはひかえます。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ワサビ
わさび / 山葵
[学]Wasabia japonica (Maxim.) Matsum.

アブラナ科の多年草。日本特産で、山間の渓流の砂礫(されき)地に生える。太い円柱状の根茎があり、その頂部に根出葉が叢生(そうせい)する。葉は長い葉柄の先に直径8~10センチメートルの心臓形の葉身があり、葉面は光沢をもち、縁(へり)は波形をしている。3~5月に地上茎が伸び、20~30センチメートルになり、短い柄の小形の葉を互生し、先端に白色4弁の花をつける。花は数個から10個が下から上に順次開き、先端に嘴(くちばし)状の角果ができ、中に小さい楕円(だえん)形の種子が多く実る。根茎の葉痕(ようこん)のわきからは芽が出て、新しい根茎をつくるが、主根茎は3年目には木質化する。4年目に主根茎が枯死すると新根茎は独立して繁殖成長する。
 水温が低く、11~14℃で一年中変化の少ない流水が生育に必要で、伊豆の天城(あまぎ)山周辺、安倍(あべ)川上流、長野県の穂高(ほたか)など南安曇(みなみあずみ)郡一帯をはじめ、全国各地の山間地で栽培される。ワサビのなかには、水の中でなくてもやや湿った陸地に生える生態をもつものがあり、これらは屋敷の林の下や、山の北面の畑などで栽培されており、畑(または陸(おか))ワサビとよばれる。これに対し本来のワサビを水(または沢)ワサビとよぶ。古くから香辛料のほか薬用にする。[星川清親]

食品

全草に特有の香気と辛味をもつが、とくに根茎には鼻につんと抜ける峻烈(しゅんれつ)なにおいと辛味があり、これをすりおろしたものは、刺身やちらしずし、握りずしには欠かせない日本独自の香辛料である。おもな品種としては、根茎が緑色の青茎、赤紫がかった赤茎と白茎の三つがある。辛味成分はアリルイソチオシアネート(アリルカラシ油)で、すりおろすと酵素の働きで辛味が生じる。根茎や葉茎を刻んで粕(かす)漬けにしたものがわさび漬けで、静岡県の特産品である。
 本物のワサビは高価なので、一般に粉わさびの使用が多い。市販されている粉わさびは、ほとんどがセイヨウワサビ(ホースラディッシュ)の根茎を乾燥粉末にしてクロロフィル(葉緑素)を混ぜたもの、またはセイヨウワサビの粉末に西洋からしと合成着色料を加えたもので、原料はカナダから輸入されている。チューブに密閉された練りわさびも使用に便利なものである。[齋藤 浩]

文化史

ワサビは『本草和名(ほんぞうわみょう)』(918ころ)や『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』(931~938ころ)が漢名の山葵をあてたがこれは誤用で、中国にワサビは分布しない。『倭名類聚抄』は薑蒜(きょうさん)類で扱い、平安時代に香辛料として用いられていたことがわかる。鎌倉時代は寺院でわさび汁が食べられ、日蓮上人(にちれんしょうにん)に駿河(するが)国上野村(静岡県富士宮(ふじのみや)市)のワサビが55歳の誕生日に贈られた(『日蓮上人御遺文集』)。室町時代には酢と混ぜたわさび酢でコイの刺身を食べた(『四条流包丁書(ほうちょうがき)』)。栽培は江戸時代駿河の有東木(うとうぎ)(静岡市)で始まり、徳川家康はそれを愛好し、門外不出の御法度(ごはっと)品に指定したと伝えられる。『和漢三才図会』(1713)には、そばの薬味にワサビが欠かせないと載る。すしとワサビの結び付きは江戸後期からで、1820年(文政3)ころ江戸のすし屋華屋与兵衛(はなやよへえ)がコハダやエビの握りずしにワサビを挟さむことを考案し、評判となった。しかし、20年後には天保(てんぽう)の改革により、握りずしはぜいたく品とされ、与兵衛は手鎖(てじょう)軟禁の刑に処せられ、一時衰退する。ワサビとすしの組合せが全国的に広がるのは明治になってからである。[湯浅浩史]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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